コラム

権力と色欲の取引の果て......中国ネット騒然「名門医大4+4事件」とは?

2025年05月23日(金)14時00分
ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)

中国史における新たな血みどろドラマの始まり?

中国社会では古くから「関係」が重視される。特に特権階層のネットワークは人脈、権力と色欲の取引を通じて構築される。妻や愛人はこのネットワークの中心に一番近く、最も核心的な情報を握っているため、いったん関係が破綻すれば「核爆弾」に変身しやすい。

扇情的かつワンパターンなドラマを中国語で「狗血劇(コウシュエチュイ)」という。一党独裁政権は強権によって表面的な平和を維持するが、社会内部の腐敗が進めばいずれ政権崩壊は避けられない。この騒ぎは中国史における新たな血みどろドラマ、「狗血劇」の始まりなのかもしれない。


ポイント

北京協和医学院
中国政府の重点大学の1つ。1917年に米ロックフェラー基金の援助を受け設立された。中国で最も初期に8年制の臨床医学専門教育を始めた。

狗血劇
語源は中国語の夠(コウ、十分の意味)と英語のshitを合わせた「十分くそ」。これに発音が近い狗(コウ、犬の意味)と血(シュエ)が当てられた。悲劇の結末ばかりだった初期の韓国ドラマへのネット上の意見が起源。

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プロフィール

風刺画で読み解く中国の現実

<辣椒(ラージャオ、王立銘)>
風刺マンガ家。1973年、下放政策で上海から新疆ウイグル自治区に送られた両親の下に生まれた。文革終了後に上海に戻り、進学してデザインを学ぶ。09年からネットで辛辣な風刺マンガを発表して大人気に。14年8月、妻とともに商用で日本を訪れていたところ共産党機関紙系メディアの批判が始まり、身の危険を感じて帰国を断念。以後、日本で事実上の亡命生活を送った。17年5月にアメリカに移住。

<トウガラシ>
作家·翻訳者·コラムニスト。ホテル管理、国際貿易の仕事を経てフリーランスへ。コラムを書きながら翻訳と著書も執筆中。

<このコラムの過去の記事一覧はこちら>

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