コラム

良い人生とは何か、ハーバード75年間の研究の成果/wildest dreams(無謀な夢)

2016年11月08日(火)12時52分

【今週のTED Talk動画】What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness
http://www.ted.com/talks/robert_waldinger_what_makes_a_good_life_...

登壇者:ロバート・ウォールディンガー

 75年間続いているハーバード大学の幸せに関する研究プロジェクト。このTEDトークのスピーカー、ロバート・ウォールディンガー氏は精神科医でこのプロジェクトの4代目ディレクターを務めている。このプロジェクトではハーバードの卒業生や大学の周辺に住む一般の人たちを対象に、2年ごとにアンケート調査などを実施し、彼らの人生がどのように展開しているかを研究している(現在生き残っている参加者の中には90代の人もいる)。

 最終的にこのプロジェクトは、集めたデータから何が幸せにつながるかを科学的に立証することに成功した。多くの人はお金をたくさん稼ぐことや有名になることが幸せへの道だと思っているかもしれないが、ウォールディンガー氏の説明によると、実は人間関係の質こそが、幸せな人生かそうでない人生かを左右する決定的な要素になるそうだ。このTEDトークは自分の人生について今一度よく考えさせるものとなっている。

【参考記事】「人生の最期に何を望むか?」ホスピスで働く医師が語る/Tease out(見つけ出す)

キーフレーズ解説

wildest dreams
無謀な夢(を超えたもの)
(動画4:39より)

 絶対ありえないと思われるものやどんなに想像をたくましくしても思い付かないようなことが本当に実現した際に、wildest dreamsという表現を用いることができます。この場合のwildは「無謀な」や「たわいない」を意味します。think, imagine, expectなどの動詞と共に用いる否定表現として使われることが多く、その場合「決して夢にも~ない」という意味になります。

 実際このTEDトークでは、その形でこの表現が用いられています。The founders of this study would never in their wildest dreams have imagined that I would be standing here today, 75 years later, telling you that the study still continues.(この研究プロジェクトをスタートした人は、75年後、まさか私が今日ここで皆さんの前に立って、研究がまだ続いているということを報告するとは決して夢にも思わなかったでしょう)

 ここでいくつかこの表現を用いた例を紹介します:

●I never in my wildest dreams thought that I would become a bestselling author.
(ベストセラー作家になることを決して夢にも思わなかった)

●The success of the company was beyond the founder's wildest dreams.
(この会社の成功は創立者のもっとも無謀な夢を超えました)

●Even in her wildest dreams she didn't imagine that they would meet again.
(彼女は彼らが再会することをまったく想像すらしなかった)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 3
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 4
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 5
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 8
    【クイズ】未踏峰(誰も登ったことがない山)の中で…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story