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バイデン失言、その真意を真面目に考える必要はあるか?
(4)ロシアのウクライナ侵攻については、事前に様々な兆候があったにもかかわらず、結果的にアメリカは「熱い戦争」の発火を食い止めることはできませんでした。その教訓を踏まえて、台湾海峡については絶対に発火させないという、決意を本当にしているのかもしれません。
(5)中国が完全に政争モードに入ったという情報を元に、今は本格的な対中交渉ができるタイミングではないという読みから、中国に対する宥和メッセージを出すことはしていないのかもしれません。
(6)李克強や第六世代の共青団系など、中国がテクノクラート主導で自由経済に復帰してくる方が、アメリカには不利になる、習近平やその継承者などの強権派の方がアメリカに有利という思惑で、対立エネルギーに燃料投下をしている可能性もあります。
いずれにしても、当面の対立構図としては、「中国+ロシア」対「日米韓+豪州+インド」という枠組みができてしまったことになります。中ロの爆撃機が巡回したなどという行動も、不愉快な事件ですが、この枠組みを確認する以上でも、以下でもないと思います。
バイデンは、帰国早々、テキサス州の小学校で発生した痛ましい乱射事件への対応に追われています。米社会の混乱は、コロナ禍に加えて、インフレによってさらに悪化していく可能性があります。「失言」に代表されるような、単純な対立構図を押し続けることで、事態の打開が見えてくるのか、先行きは極めて不透明と言わざるを得ません。