コラム

忘年会だけじゃない! スルーすべき日本の会社のムダな慣習

2019年12月17日(火)16時15分

2つ目にスルーすべきなのは、転勤です。せっかく身に着いたスキルを捨てさせて、全く違う分野に異動させる、あるいは別の土地へ異動させるという「人事ローテーション」と「ゼネラリスト育成」というのが、日本型人事だとされてきました。ですが、共働きが当然となる一方で、あらゆる業務内容が高度化し、専門性が問われるようになった現在、転勤のメリットは薄れており、残っているのは個人の人生設計を壊す弊害だけのように思います。

転勤に伴う単身赴任という習慣も、核家族の求心力を奪い、次世代に親となるべきロールモデルを与えることができなかった罪は重いと思います。まわりまわって非婚少子化の後押しをしているという観点から、社会的に止める時期に来ていると考えていいでしょう。

忘年会に象徴されるような、公私混同体質を伴った封建的ヒエラルキーで人間性を束縛するのが「忠誠心」だとか、何かに付けて「社内会議」をするのが育成やスキル向上になると思い込んだり、国中、世界中のどこへでも辞令一枚で社員と家族を飛ばせると考えたり、これでは、まるで「お国替え」と「参勤交代」です。封建主義そのものであり非人間的であると同時に、21世紀の高度な生産性とは全く馴染みません。これらの慣習も、スルーでいいのではないでしょうか。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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