コラム

アメリカでサッカー人気が盛り上がらない理由

2014年06月10日(火)11時59分

 アメリカ代表の戦いに関する予想といえば、実際にアメリカのメジャーなスポーツ雑誌『スポーツ・イラストレイテッド』のシミュレーション記事が実に正直でした。かなり大きな特集を組んでいるにも関わらず、アメリカに関しては「初戦のガーナ戦を落としたら即死」だという何とも情けない「分析」が乗っています。

 この記事ですが、アメリカが決勝トーナメントに行くシナリオは「ガーナ戦で勝ち点3、ポルトガル戦はゼロゼロでドロー狙い、ドイツ戦はその時点でドイツが消化試合になって二線級で戦ってくれる可能性にすがる」といういい加減なものでした。仮にドイツが主戦級を外しても勝ち点3はムリ、ということは要するにダメということです。残念ですが、勝ち点はゼロか1というところではないでしょうか?

 ちなみに、日本ですが、C組は本当の意味で「死の組」だと思います。厳しいですが非常に面白そうな組です。予想という意味では、まずは一つ一つ勝っていくしかないのでしょう。ですが、漠然と期待しているのが例えば最終のコロンビア戦に決勝トーナメント進出がかかる中で、プレッシャーを跳ね返して拾っていくというような展開です。その勢いを駆って、ベスト8まで行くためには、そのぐらいのドラマが必要だと思います。

 とにかくベスト16で「見ている方も、やっている方も」何となく満足してしまい、決勝リーグ初戦で敗退しても「まあ良かったね」という光景は、2回で十分だということです。

 準々決勝という「全く経験したことのない5試合目の風景」に立つことで、A代表の一人一人がどう輝けるか。どう成熟して、またどう成熟を拒否して、どう躍動するのか、何としても見てみたいと思います。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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