中国がウクライナでの停戦を呼びかけ──その真意はどこにあるか
ウズベクで開催された上海協力機構で会話するプーチンと習近平(9月16日) Sputnik/Sergey Bobylev/Pool via REUTERS
<この呼びかけは「中国がロシアを見捨てた」のでもなければ、ウクライナを支援するものでもない。中国の視線の先にあるのは......>
・ロシアで部分的動員が発令された21日、中国はウクライナでの停戦を呼びかけた。
・これは「中国がロシアを見捨てた」というものではなく、むしろロシアにとってほとんどマイナスにならない。
・それ以上に、このタイミングで停戦を呼びかけることは、中国自身にとってのプラスが大きいといえる。
中国外務省は9月21日、ウクライナでの停戦を呼びかける声明を発表した。これはプーチン大統領が予備役30万人を派兵できる「部分的動員」を発令した直後のことだった。
それによると、「我々は対話と交渉を通じて、全ての当事者の安全保障上の懸念をできるだけ早く解消する道を探るため、各方面に対して停戦を求める」。
中国はこれまでウクライナ侵攻を批判することを控え、ロシアからの天然ガスなどの輸入をむしろ増やしてきた。また、アメリカなど西側以外の国が行なう戦争に関してコメントすることも稀だ。
そのため、この停戦の呼びかけを「中国がとうとうロシアを見捨てるサイン」とみる向きもあるかもしれない。
また、プーチンが部分的動員を発令し、ウクライナでの対立がエスカレートする懸念が高まるタイミングで停戦を呼びかけたことで、「中国は平和愛好的」というメッセージを発信することはできるかもしれない。
しかし、コトはそれほど単純ではない。
中国による停戦の呼びかけはロシアにとって大きな損失にならないだけでない一方、ウクライナを支援するものでもない。むしろ、このタイミングでの停戦呼びかけは、中国自身にとってプラスになるといえる。
即時停戦を求めているのは誰か
大前提として確認すべきことが二つある。
第一に、中国が停戦を呼びかけることは、これが初めてではない。ウクライナ侵攻が始まって約半月後の3月11日、王毅外相が「ロシアとウクライナの停戦交渉を支持する」と表明し、その後も折に触れて停戦を口にしてきた。
第二に、とりわけ4月以降、当事者のうち停戦を求めているのは主にロシア政府であり、ウクライナ政府ではないことだ。
2月末から4月初旬にかけては、ロシアとウクライナが停戦に向けて協議した時期もある。この時期にはウクライナ政府が中国に、ロシアへ働きかけるよう要請することもあった。
しかし、ベラルーシやイスタンブールで開催された協議は大きな進展をみせないまま暗礁に乗り上げた。
中国出身テロリストがシリア軍幹部に抜擢──それでも各国が黙認する理由 2025.05.26
世界に混乱をもたらす「トランプ関税」をロシアが免れたワケ 2025.04.09
同盟国にも牙を剥くトランプ大統領が日本には甘い4つの理由 2025.03.07
「核兵器を使えばガザ戦争はすぐ終わる」は正しいか? 大戦末期の日本とガザが違う4つの理由 2024.08.15
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩2分/港区虎ノ門/web系SE・PG
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
週2在宅・フレックス・給与計算 英語力活かせる 外資系700社支援
株式会社ビーピーエムアソシエイツ
- 東京都
- 月給33万4,000円
- 正社員
-
DX未経験OK・社内SE 業務改善に挑戦 世界屈指の外資系
アデコ株式会社
- 東京都
- 月給37万5,000円
- 正社員
-
営業マネージャー 「東京/外資系メーカー」
エドワーズ株式会社
- 東京都
- 年収800万円~1,100万円
- 正社員






