【カンボジア総選挙】独裁者を支える日本の支援、中国との競争でますますやめられず
日本政府が開発途上国の人権侵害や非民主的な政府に及び腰の対応になりがちなのは、今に始まったことではない。典型的な事例でいえば、1988年にクーデタが発生し、国名をビルマからミャンマーに変更した軍事政権に対して、欧米諸国が援助を停止したのに対して、日本はわずかながらも援助を続けた。また、1989年の天安門事件後の中国の場合、日本は欧米諸国による経済制裁に一番最後に一応加わったものの、一番最初にこれを解除した。
日本政府には、内政不干渉の原則を重視する傾向が強い。その結果、相手国の人権問題などに口を出すことには慎重になりがちだ。
日本政府はこれを「関係を遮断するのではなく、関係を維持しながら相手が良い方向に向かうように働きかける」と正当化する。
もちろん、とにかく口を出せばよいというものではない。しかし、日本政府による内政不干渉は相手国の既存の秩序を容認するものとなり、結果的にそのもとでの問題を黙認することにもなる。
また、「関係性を通じて相手に働きかける」と言いながらも、それはあくまで一般論に止まりがちで、ミャンマーの軍事政権が民主化したきっかけは軍事政権自身の情勢判断によるものだった。そこに日本政府が強調する「働きかけ」の影をみることはできない。
カンボジアの場合でも、5月に日本政府はカンボジア政府に「公正な選挙の実施」を求めているが、あくまで一般論の域を出ていない。これはいわば「何も言っていないわけではない」というポーズにとどまるといえる。
G7などで安倍首相はしきりに「日本が欧米諸国と普遍的価値観を共有している」と強調するが、政治的な立場はともかく、実際の行動の面で欧米諸国とのギャップは大きい。
カンボジアに伸びる中国の影
特にカンボジアの場合、日本政府が及び腰になりやすい一因には、中国の存在がある。
「一帯一路」構想のもと、中国は東南アジア一帯にも勢力を広げている。このなかでカンボジアは、隣国ヴェトナムの影響力から逃れるため、とりわけ対中シフトが目立つ国の一つ。2018年1月には李克強総理がカンボジアを訪問し、新たに19の経済取引に調印した。カンボジアは2020年までに中国からの観光客を年間200万人に増やし、貿易額を60億ドルにまで増やすことを目指している。
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