コラム

【欧州議会選】英国の2大政党は大敗か?──新党「ブレグジット党」は10万人の支持獲得

2019年05月17日(金)20時00分

残留派でかつ第2の国民投票を同様に主張しているのが、新たな政党「チェンジUK」(元「独立グループ」=TIG)。

欧州議会選挙で自民党はチェンジUKとの共闘を志向したが、チェンジUKは乗り気ではなかったという(ケーブル自民党党首)。

改革派の「チェンジUK」

ChangeUK_190517.png

「チェンジUK」(ウェブサイトより)

チェンジUKとは、労働党の下院議員8人と保守党の下院議員3人が発足させた政党だ。2大政党制が長く続く英国で、大手政党から議員が抜けて新たな政治勢力を形成する動きは、社会民主党(SDP)の誕生以来、約38年ぶり。

2月18日、ブレグジットや反ユダヤ主義(ユダヤ人に対する敵意や偏見)などについての労働党指導部の姿勢を批判する下院議員7人が離党し、「独立グループ」の発足を宣言。黒澤明監督の映画の題名を借り「7人の侍」とも呼ばれたメンバーは、チュカ・ウムナ議員(初当選2010年、以下同)、ルシアナ・バージャー議員(2010年)、クリス・レズリー議員(1997年)、アンジェラ・スミス議員(2005年)、マイク・ゲイプス議員(1992年)、ギャヴィン・シューカー議員(2010年)、アン・コフィー議員(1992年)。

このグループ結成から2日後、今度は保守党のアナ・スーブリー議員(2010年)、ハイディ・アレン議員(2015年)、サラ・ウォラストン議員(2010年)が離党。こちらは、米映画「サボテン・ブラザーズ」(原題「Three Amigos」)にちなんで「3人のアミーゴ(友達)」と呼ばれた。離党理由は、保守党が「離脱強硬派に乗っ取られている」、「社会的な不公平の解消や貧困対策を十分に行っていない」ためだった。

のちに、グループは政党に発展し、名前をチェンジUKに変えた。

離脱のカリスマ、ファラージ

BREXIT_190517.png

ファラージ氏が党首となる「ブレグジット党」(ウェブサイトより)

2大政党に元気がなく、残留勢力が1つにまとまり切れない中、大躍進を遂げているのが、今年1月に発足したばかりの政党「ブレグジット党」だ。その目的は、党名が示すように「英国のEUからの離脱」だ。

党首は、元英国独立党(UKIP)の党首ナイジェル・ファラージ氏。

UKIPは2016年の国民投票を実現するために大きな機運を作った政党で、ファラージ氏はその党首としてカリスマ的魅力を発揮した。

プロフィール

小林恭子

在英ジャーナリスト。英国を中心に欧州各国の社会・経済・政治事情を執筆。『英国公文書の世界史──一次資料の宝石箱』、『フィナンシャル・タイムズの実力』、『英国メディア史』。共訳書『チャーチル・ファクター』(プレジデント社)。連載「英国メディアを読み解く」(「英国ニュースダイジェスト」)、「欧州事情」(「メディア展望」)、「最新メディア事情」(「GALAC])ほか多数
Twitter: @ginkokobayashi、Facebook https://www.facebook.com/ginko.kobayashi.5

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インタビュー:中国の対日認知戦、当局の強い影響示唆

ワールド

ロシア、新型ミサイルでウクライナ攻撃、大統領公邸攻

ビジネス

ガンホー、森下社長が会長兼最高開発責任者に 本人の

ビジネス

米ディズニーCEO「今後も対中投資拡大」、北京で副
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 7
    「不法移民からアメリカを守る」ICEが市民を射殺、証…
  • 8
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 9
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 10
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story