コラム

【欧州議会選】英国の2大政党は大敗か?──新党「ブレグジット党」は10万人の支持獲得

2019年05月17日(金)20時00分

そして、23日の欧州議会選挙である。先の下院選では離脱を実行すると約束して戦った、保守党。欧州議会選挙に向けて、マニフェストらしいマニフェストが見当たらない。離脱すると約束していたため、今更、マニフェストを作りようがないのだろうか。

あと1週間ほどで投票日なのに、政権党がマニフェストを作れていないし、目立った選挙運動もしていない──。これ自体が保守党の苦悩を示す。

さらに、メイ首相の辞任がほぼ確定したことで、「我こそは次の首相に」と考える大物政治家たちが様子をうかがっている状態だ。16日には大本命とされるジョンソン元外相が出馬の意思を示した。

メイ首相は「保守党を分裂させた首相」として名を残すかもしれない。

残留支持政党も分裂

労働党も混迷状態にある。

コービン労働党党首がメイ首相と協定案をまとめるために話し合いの機会を持つこと自体に反発がある。保守党と全く同じように、である。労働党にとって、保守党は一種の敵であり、「失敗する離脱」に労働党が加担したと思われたくない。

労働党議員の大部分が残留支持者と言われている。しかし、2016年の国民投票では離脱派が僅差で勝利したため、心の中では「離脱反対」と思いながらも、表向きは「離脱を実施」と言わざるを得ない。実際に、2017年の下院選では、保守党同様、「離脱を実現させる」ことをマニフェストに入れたのである。

労働党は「第2の国民投票」も視野に入れているが、それはあくまで「最後の手段」。国民の中には、再度の国民投票に対する反対の声が根強く存在する。

今月の地方選挙で躍進したのが、残留支持を鮮明にする、親欧州の自由民主党。2010~15年、保守党と連立政権を組んだ経験もある。

しかし、残留支持の政治勢力は分裂している。労働党が「心は残留だが、表向きは離脱」という姿勢を取るのに対し、自民党は「残留」そして「第2の国民投票」を主張する。

プロフィール

小林恭子

在英ジャーナリスト。英国を中心に欧州各国の社会・経済・政治事情を執筆。『英国公文書の世界史──一次資料の宝石箱』、『フィナンシャル・タイムズの実力』、『英国メディア史』。共訳書『チャーチル・ファクター』(プレジデント社)。連載「英国メディアを読み解く」(「英国ニュースダイジェスト」)、「欧州事情」(「メディア展望」)、「最新メディア事情」(「GALAC])ほか多数
Twitter: @ginkokobayashi、Facebook https://www.facebook.com/ginko.kobayashi.5

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、5000件増の21万件 予想と

ビジネス

エネルギー高のインフレリスク、ウクライナ侵攻時より

ビジネス

OECD、26年の英成長率予想を大幅下方修正 イン

ビジネス

再送-独ポルシェSE、通期決算は9%減益 防衛分野
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 2
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「日本産ミュージカルの夢」に賭ける理由【独占インタビュー】
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 7
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 8
    地上侵攻もありえる...イラン戦争が今後たどり得る「…
  • 9
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 10
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 3
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 9
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story