コラム

石破首相が退陣表明、後継の「ダークホース」は超意外なあの政治家

2025年09月07日(日)23時54分
石破茂

退陣を表明する石破首相(9月7日)Toru Hanai/Pool via REUTERS

<参院選敗北後、粘りに粘っていた石破首相が自民党総裁の辞任を表明した。後任選びに焦点が移るが、誰もが思い描く本命や対抗のほか、意外なダークホースが飛び出す可能性もある>

石破首相が自民党総裁の辞任を表明した。9月7日午後6時から行われた記者会見で石破首相は、対米関税交渉に一つの区切りがついた今が辞任のしかるべきタイミングだと判断したと説明。臨時総裁選の前倒し要求の意思確認が党内の決定的な分断を招くことを避けるために、苦渋の決断をしたと述べた。

会見冒頭で石破首相は、「党則6条2項に基づく任期中に総裁が欠けた場合の臨時総裁選」(総裁が辞任した場合の通常パターン)を実施するよう森山裕幹事長に伝えた、したがって党則6条4項に基づく「臨時総裁選の要求手続き」を行う必要はない、とわざわざ念を押した。臨時総裁選挙の前倒し要求(事実上のリコール要求)の意思確認は翌8日に予定されていた。賛同が過半数を超える見通しが強まっていたことが、辞任判断の大きな要因となったことがうかがえる。


 

石破首相は7月20日の参議院選挙敗北後、「地位に恋々としない」と言いつつ、7月28日の両院議員懇談会、8月8日の両院議員総会では一貫して辞任を否定し、続投に強い意欲を見せていた。

しかし、9月2日の両院議員総会で、党運営・国会対策の要である森山幹事長が辞意を表明。小野寺五典政調会長、鈴木俊一総務会長、木原誠二選対委員長ら党四役がそろって進退を首相に一任するところまで追い込まれていた。

3日には、麻生太郎元首相が「総裁選前倒し要求に署名する」と明言。鈴木馨祐法相(麻生派)も現役閣僚として初めて、総裁選前倒し要求に賛同することを表明していた。6日夜に、菅義偉元首相(副総裁)が小泉進次郎農水相とともに首相公邸で首相と面談し、党内情勢を伝えて説得したと言う。「党を分裂させてはならない」として事実上の引導を渡した形になったのはやはり、政権誕生の立役者である菅元首相だった。

プロフィール

北島 純

社会構想⼤学院⼤学教授
東京⼤学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、現在、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹及び経営倫理実践研究センター(BERC)主任研究員を兼務。専門は政治過程論、コンプライアンス、情報戦略。最近の論考に「伝統文化の「盗用」と文化デューデリジェンス ―広告をはじめとする表現活動において「文化の盗用」非難が惹起される蓋然性を事前精査する基準定立の試み―」(社会構想研究第4巻1号、2022)等がある。
Twitter: @kitajimajun

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インド経済の成長持続、需要回復で=中銀報告書

ワールド

EU、持続可能な航空燃料規則も緩和か 仏トタルCE

ビジネス

消費税「段階的廃止」明記へ、法人税上げで財源=神谷

ワールド

中国の若年失業率、12月は16.5%に低下 前月は
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の核開発にらみ軍事戦略を強化
  • 4
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 5
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    「怖すぎる...」モルディブで凶暴な魚の群れに「襲撃…
  • 9
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 10
    宇宙人の存在「開示」がもたらす金融黙示録──英中銀…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 9
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story