「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳ファーム」の搾取手口とは? 英語のできない日本人狙いか
EXPLOITED ABROAD

高橋は、日本で技能実習生の搾取が問題化したが、ワーホリでは日本の若者が搾取に直面していると語る MIHO WATANABE FOR NEWSWEEK JAPAN
<日本人コミュニティーを通して見つけた仕事で搾取される若者が続出。悪徳ファーム問題が解決しない背景には、オーストラリア政府と日本の若者の「いびつな関係」が──>
円安の日本から、若者がオーストラリアに「出稼ぎ」に行く時代に。しかし一部には「労働搾取」と「悪徳農場」がはびこり、被害にあっても泣き寝入りするしかないという現実が。日本の若者を搾取する「豪ワーホリの闇」を3回に分けてリポートする。本記事は第3回。
※第1回はこちら:「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
※第2回はこちら:「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給与は「最低賃金の3分の1」以下、未払いも
フェイスブックで労働者の募集をかけた日本人女性も、2カ月分の給与が未払いとなった。なぜ破産した会社の片棒を担ぐことになったのだろうか。
ワーホリ労働者の間では格上の「チームリーダー」の立場にあったというこの女性は、「(賃金支払いが)遅れたとしても未払いは絶対ないと思った」と弁明した上で、「(自らの投稿を通して)人を雇おうと思っていたので悪い書き方をしようとは思わなかった」と打ち明けた。
賃金の支払い遅延や賃金カットが起きていたにもかかわらず、人を集めようとした理由について、筆者は、「新しい人が入るたびに仲介料をもらえるケースもあると聞いた。お金が目的だったのか」と尋ねた。
すると、「(収穫の)ハイシーズンの最中ということもあり、上からは人を雇えと言われていた。チームリーダーになると人を集めることも仕事の一部になる。上司から怒られるのが嫌でやっていただけだ」と説明した。