「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳ファーム」の搾取手口とは? 英語のできない日本人狙いか
EXPLOITED ABROAD
彼女は現在もワーホリビザで別の会社に所属し、イチゴ農場の労働者を募集している。彼女が投稿した今年7月の宣伝文には、「最低時給保証のある歩合制が採用された職場」だと書かれていた。だが実際に働いた人によると、「結果的に完全な歩合制で働くことが多かった」という。
日本語のクチコミは信じない
現在、オーストラリアでは「Fair Entitlements Guarantee(FEG)」制度の見直しが議論されている。
労働者の最後のとりでとして設計された同制度について、一部の清算人がFEG制度に頼ることを前提に企業清算を進める事例があることなどから、不適切利用を避けるための改革が議題に上がっている。
今年3月、前述の労働者支援団体「Migrant Workers Centre」は、ワーホリビザ保持者を含む一時滞在者にも制度を適用するよう連邦政府に要請したが、政府の回答は「検討中」だったという。
同団体は「一時滞在者を対象に含めた場合の財政的負担を懸念しているのではないか」と分析しつつ、未払いが横行する年金についても、FEGの保証対象に含めるよう訴えている。
もちろん、ワーホリの全てが搾取的な労働環境にあるわけではない。農場などでの労働が必須になる2度目以降のビザ取得を目指さない場合や、英語力や職業能力によっては、好条件の職場が見つかる場合もある。