医学部定員増に反対してストを続ける、韓国医師の「ミゼラブル」な前途
「運動により特権を得た人々」への批判
とはいえ、そこには同時に韓国の民主化や市民運動に共通する問題も見ることができる。それは、この国の社会運動が「民衆」を名乗る「エリート」に主導されてきたという問題だ。そしてそれは文在寅(ムン・ジェイン)政権下で「江南左派」と揶揄された「運動により特権を得た人々」への批判を生んできた。
韓国の医師は、極めて裕福であり、それ故に彼らによる自らの利益を守るための運動は世論の支持を集めていない。総選挙を控えるなか、尹政権にとって、医療改革問題は自らに支持を集めさせる最大の要素になっている。
韓国最大最強のエリート集団である大韓医師協会は、今後も自らの権益を「医療民主化」の旗印の下に守ることができるのか。その前途は厳しいものになりそうだ。
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