コラム

世界最高レベルの住宅街を舞う大量のインコ

2024年08月31日(土)15時49分
ロンドンのセント・ジェームズ・パークでフェンスにとまるパラキート(インコ)

ロンドンのセント・ジェームズ・パークでフェンスにとまるパラキート(インコ) VUK VALCIC/ SOPA IMAGES/SIPA USAーReuters Connect

<イギリス都市部では普通にキツネが出没するようになっただけでなく、南国産のパラキート(インコ)が色鮮やかに空を埋め尽くす>

以前、ロンドン郊外トゥイッケナムなどイギリスの都市部でたくさんのキツネが出没するようになったことを書いたが、今回のコラムは基本的にはその「脚注」だ。

突然、それまでとは違う環境で暮らすようになったキツネの数が増えたことで、キツネが新たな習慣を進化させることもあるのではないかと僕は推測したが、これは結構当たっていたのかもしれない。

キツネは夜行性と言われているが、僕はまだ明るい夕暮れの時刻に何度も目にした。イギリスは夏の日が長く、どうやらキツネは完全に暗くなる午後10時くらいを待つことができずに午後9時前から現れだすようだ。

それどころか僕は真昼間に何匹か見掛けた。さらに言えば友人の小さな庭で日中に目撃したこともあったが、これはあり得ないことだ。キツネは本来ならものすごく人間を警戒するはずだから。

そのとき僕はネコの様子が少しおかしいことに気付き、キツネが庭にいるのを見つけて仰天した。ネコはじっと座っていたものの、非常に警戒していた。若いキツネは庭を歩き回り、ネコのえさの匂いをかいでいるようだったが、実際のところ、その姿はキツネというよりライバルのネコのようだった。

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庭に出没したキツネにネコも警戒態勢 COLIN JOYCE

プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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