コラム

世界最高レベルの住宅街を舞う大量のインコ

2024年08月31日(土)15時49分

もう1つ、以前のブログを掲載した直後に気付いたのは、僕がトゥイッケナムの住人からしてみれば「それじゃないほうの」話題を書いてしまったということ。キツネは、既に古いニュースなのだ。

普通だったら、この地で目につくのはパラキート(インコ)のほうだ。

パラキートは数多くいるし、群れをなしていて大きな声で鳴くから存在感抜群(まるでわざわざ主張してインパクトを増しているかのよう)。そのうえ鮮やかな緑色で、概して「地味」なイギリスの鳥に比べると本当に場違いに見える。

パラキートの原産はアフリカやインドで、渡り鳥ではないので、おそらくトゥイッケナム地域に生息しているものは逃げ出したペットが繁殖したと思われる。

彼らは数千、数万といるにもかかわらず、トゥイッケナム周辺(キューガーデンも含まれる)やテムズ川周辺の環境抜群の一帯(川幅は広がり緑の土手や「小島」がポツポツ存在する)を超えて広がることはなかったのが興味深い。

このためパラキートは「トゥイッケナム・パラキート」や(近隣の街の)「キングストン・パラキート」などという愛称で呼ばれている。

newsweekjp_20240831065852.jpg

トゥイッケナムの公園内には街のシンボル(?)パラキートのイラストが COLIN JOYCE

彼らは今いる場所が気に入っているらしい。そして彼らは、人間と同意見のようだ――そのエリアの不動産は世界屈指の人気ぶりだという点で。

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プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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