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「一強」スコットランド首相が失意の電撃辞任した理由
スコットランド人の多くにとって、彼女が適切な課題に「的を絞る」ことができないことはかなり問題だったようだ。彼らに言わせれば、首相としてのスタージョンの仕事はスコットランドを統治すること。だが彼女は、スコットランド独立運動を推し進めるために首相という地位をいかに生かすか、という点に最大の関心を払っているように見えた。
スコットランドには目を向けるべき数々の問題がある。例えば、健康問題はイギリスの他の地域よりはるかに深刻だ。平均余命はイングランドより約2年短い。その差は2018年から2020年にかけて大きくなった(これが入手できる最新の統計記録だ)。
ドラッグやアルコールによる死亡もイギリスの他の地域に比べて著しく高い。スタージョンは教育に関する実績で強い非難も受けている(有権者の関心が高い分野だ)。公平を期して言うと、スコットランドの犯罪率がイギリスの他地域より低く、スタージョン政権下で特に顕著に下がったことも注目されるべきだろう。
性別変更の法案が決定打に
暗雲に覆われながらスタージョンが辞任する羽目になったもう1つの理由は、彼女の推進した最新の重点政策――スコットランド人の性自認に関する法案――が論争を引き起こしたからだ。16歳以上の人が自己申告で性別を変えられるとしたこの「性別変更手続き簡易化」法案はスコットランド議会を通ったものの、英政府に阻止されていた。
この法案は、多くのスコットランド人にも非難されていた。反対者の中には著名な女性の権利活動家たちも含まれる。法案があまりにイデオロギー的で、男として生まれた人を「自己申告」によって女性と認めることで起こり得る数々の問題から「目を背けている」からだ。
熱心に反対を表明していない人々にとっても、大多数の人にはとりたてて重要でないこの問題にあまりに多くの政治的時間と労力が割かれているように感じられた。保守派の目から見れば、何としても「進歩的」「急進的」に見せようとして反対意見をまるで無視しているように感じられた。
彼女の辞任で、政治空白も生じる。これは有力ライバルも有力後継者もいない「一強」リーダーが去る時には常に付きまとう問題だ。たとえそのリーダーが、支配的で巨大な権力を握る人物でなくとも。
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