アジアの覇権をめぐる超大国間のせめぎ合いが、ミャンマー政変を引き起こした

ミンアウンフラインの肖像を掲げるクーデター支持者 REUTERS
<近いうちに権力を失いかねないと懸念していた国軍がクーデターを起こすのは当然の成り行き>
ビルマ(ミャンマー)国軍のミンアウンフライン総司令官は間違いなく新聞を読んでいる。そして、未来を読もうともしているようだ。
2月1日、ビルマ国軍が昨年11月の総選挙で不正があったと主張し、クーデターを起こした。これは当然の帰結だ。2011年の民政移管以降も一定の政治的権限を維持してきた国軍は近いうちに、要職の指名権やカネ、ひいては権力を失うかもしれないと懸念していたからだ。
同時に、今回のクーデターは1月上旬の2つの出来事、すなわちQAnon(Qアノン)とトランプ前米大統領がそそのかした米連邦議会議事堂襲撃事件、および中国の王毅(ワン・イー)外相のビルマ訪問が引き起こした連鎖反応とも読める。
16年に文民政権が誕生して以来、国家顧問として実質的指導者の座にあったアウンサンスーチーは国軍との対立を慎重に避け、イスラム系少数民族ロヒンギャに対する掃討作戦を支持してきた。
国軍総司令官の65歳の誕生日が持つ意味
それでも、人口の約7割を占める多数派民族ビルマ人の間での人気は衰えなかった。昨年の総選挙では、15年に行われた前回総選挙に続き、スーチー率いる与党が国軍系政党などを抑えて得票率80%超で圧勝している。
だがこうした事実も、国軍総司令官の65回目の誕生日が持つ意味には勝てなかった。
ミンアウンフラインは7月3日に65歳になるため、定年を迎えるはずだった。つまり、これまで軍が保持してきた要職指名権や人事管理権限、経済的決定権が失われるということだ。だがクーデターで引退の必要はなくなり、国軍が経済・人員的権限の多くを維持することになりそうだ。
アジア大陸の沿岸国の1つであるビルマは、アジアでの覇権をめぐる超大国間のグレート・ゲームの舞台だ。だが、その「ゲーム」もロヒンギャ弾圧や国軍総司令官の引退をめぐる考慮を避けては通れない。
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