コラム

アメリカ版文化大革命? トランプのエリート大学たたきは独裁への道

2025年04月24日(木)17時30分
トランプ

政権の要求に屈しないようハーバード大学当局に求める人々 ERIN CLARKーTHE BOSTON GLOBE/GETTY IMAGES

<トランプ政権がアメリカ社会のエリート層と有力な学術・教育機関を標的にしている。攻撃の矛先が最も向けられているのはハーバード大学だ>

アメリカはいま建国以来最大の危機に瀕している。トランプ大統領と共和党の保守派は、行政府に権力を集中させ、立法府と司法府の力を弱体化させ、法の支配を骨抜きにし、アメリカを独裁国家に変質させつつある。その一環として激しい攻撃の標的にされているのが、アメリカ社会のエリート層と有力な学術・教育機関だ。

アメリカの保守派はこれまで何十年にもわたり、学術界と知識人を敵視してきた。トランプ政権は、連邦政府から大学への助成金などの拠出を停止することにより圧力をかけ、学生の多様性を促進するためのプログラムを打ち切らせようとしている。コロンビア大学などは、やむなく政権側の要求を一部受け入れてきた。


いまトランプによる攻撃の矛先が最も向けられているのはハーバード大学だ。8人のアメリカ大統領と161人のノーベル賞受賞者を送り出すなど、アメリカ最高のエリート大学である。トランプ政権の狙いは、同大学を屈服させること。さらには、同大学の壊滅も目指しているのかもしれない。

トランプ政権が攻撃の口実にしているのは、イスラエルとハマスの戦争が始まって以来、キャンパスで行われてきたパレスチナ支持のデモと反ユダヤ主義的な行動だ。同政権はハーバード大学への20億ドルあまりの助成金を凍結(同大学の2024年の収入は65億ドル)。政権の要求に従わなければ、さらに約70億ドルの拠出を停止するという脅しをかけている。

プロフィール

グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏が閣僚刷新検討 イラン戦争が打撃 選挙控

ワールド

商船三井のLPG船がホルムズ海峡を通過 日本関係2

ワールド

ドバイの米オラクル施設に迎撃破片が落下、負傷者なし

ワールド

トランプ政権による大学への人種データ開示命令を仮差
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 5
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 8
    中国は「アカデミズムの支配」を狙っている? 学術誌…
  • 9
    イラン戦争は「ハルマゲドンの前兆」か? トランプ…
  • 10
    満を持して行われたトランプの演説は「期待外れ」...…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 8
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 9
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 10
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story