コラム

マムダニNY市長は、トランプに追い詰められた民主党を救う「正解」か

2025年11月22日(土)09時40分
マムダニ

11月4日の投開票日の夜に行われたマムダニ支持者の集会 MICHAEL M. SANTIAGO/GETTY IMAGES

<ニューヨーク市長に当選したウガンダ生まれでインド系ムスリム、かつ自称「民主社会主義者」のマムダニがトランプに追い詰められた民主党を救う......とは限らない>

政治の世界では、しばしば政治家が人々の希望や不安や不満をあおることにより支持を獲得する。この点では、政治の「アウトサイダー」が有利な立場にある。現状で何もかもうまくいっていないのは「既成政治家」のせいだ、と言えるからだ。

2016年と24年の米大統領選で、ドナルド・トランプはこの手法で勝利を収めた。庶民を痛めつけるエリート層の陰謀を非難し、中国と日本がアメリカを食い物にして高笑いしているといった被害者意識に基づく言葉を声高に語り続けたのだ。


私たちが歯を食いしばって頑張っているのに、状況が悪化する一方なのは「あいつら」のせいに違いない、という発想だ。こうしたメッセージは、経済的に苦しんでいる人たちの心を強く揺さぶった。

先頃、ニューヨーク市民は次の市長にゾーラン・マムダニを選んだ。強烈なカリスマ性を持つ34歳。政治経験は乏しく、民主党の中でも進歩派の立場を取り、民主社会主義者を自称しているイスラム教徒だ(生まれはアフリカのウガンダ)。選挙戦では富裕層を厳しく批判し、生活が苦しい平均的な市民を救うと約束した。

マムダニの経歴とメッセージは、右派政治家たちがたきつけてきた排外主義的な憎悪を否定し、平均的な市民の生活を助けることの重要性を改めて浮き彫りにしていると言えるだろう。

プロフィール

グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、米国産大豆追加購入の可能性低下も 関税違憲判

ビジネス

トランプ関税違憲判決、米エネ企業のコスト軽減 取引

ワールド

米USTR、新たな301条調査開始へ 主要国の大半

ワールド

トランプ氏、10%の代替関税に署名 最高裁の違憲判
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 2
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 3
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由...「落葉帰根」派も「落地生根」派も
  • 4
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 5
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 6
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 7
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 8
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 9
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 10
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 5
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story