オキナワの現状を地政学で読み解く
思いどおりにいかないハワイの情勢をめぐって、ワシントンの政界では盛んな議論が交わされた。その際、アメリカの偉大な軍事戦略家で海洋史家のアルフレッド・マハンは、後に米大統領に就任するセオドア・ルーズベルトに地政学的視点からこう助言した。「まず支配せよ。その後で(問題を)解決すればいい」と。
筆者の大学時代のルームメイトの父親は、米軍兵士として沖縄戦を戦った。私たちの父親世代にとって、沖縄とは恐怖と英雄的行為と勝利の地、第二次大戦という輝かしい歴史に押された刻印だった。だがルームメイトの父親は終戦から60年後に亡くなるまで、自分が沖縄で見たこと、したことを語ろうとはしなかった。
アメリカでは今、沖縄の名前を知る人は50人に1人に満たないだろう。しかし日米の戦略地政学専門家から見れば、米軍基地や地元の不満、国益をめぐる沖縄の問題の在り方は130年前のハワイと酷似している。沖縄が持つ意味は知事選だけにとどまらない。
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