ニュース速報
ビジネス

米6月ADP民間雇用、予想外の減少 マイナスは約2年ぶり

2025年07月03日(木)00時45分

米ADPリサーチ・インスティテュートが2日発表した6月の全米雇用報告によると、民間雇用者数は3万3000人減となり、予想外の減少となった。ケンタッキー州ルイビルのキャリアセンターで2021年撮影(2025年 ロイター/Amira Karaoud/File Photo)

Lucia Mutikani

[ワシントン 2日 ロイター] - 米ADPリサーチ・インスティテュートが2日発表した6月の全米雇用報告によると、民間雇用者数は3万3000人減となり、予想外の減少となった。減少は2023年3月以来、2年超ぶり。経済の先行き不透明感が雇用の足かせとなった。

ただ、一時解雇(レイオフ)数は低水準で、労働市場の安定は継続している。

ロイター調査によるエコノミスト予想は9万5000人増だった。

5月は3万7000人増から2万9000人増に下方修正された。

専門・ビジネスサービス、教育・医療サービス、金融業の各部門で減少した一方、レジャー・ホスピタリティー、製造部門、建設部門で増加した。

エコノミストらは、ADP統計から雇用統計を予想しても、精度は高くないと指摘する。

ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は「ADPは全体像を把握するためだけに使うべきだ」と指摘。その上で「現在、全体像はADPの民間雇用者数の推計が12月以降、着実に減少していることを示している。きょうの大幅な減少は、その傾向を浮き彫りにしている」と述べた。

これとは別に再就職あっせん会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが発表した米国での6月に公表された人員削減数は、前月比49%減の4万7999人だった。

第2・四半期の削減数は24万7256人で、第1・四半期から50%減少した。人員採用計画は6月は3191人となり、5月の9683人から減少した。

チャレンジャーのシニアバイスプレジデント、アンドリュー・チャレンジャー氏は、「力強い景気のけん引がなければ年内は雇用が伸び悩む可能性がある」と述べた。

労働省は3日に6月の雇用統計を発表する。ロイター調査によると、非農業部門雇用者数は11万人増、失業率は5月の4.2%から4.3%に上昇すると予想されている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:困窮するキューバ、経済支援で中国がロシアに代

ビジネス

スターボード、トリップアドバイザー株9%超保有 株

ワールド

相次ぐ熱波で欧州成長率0.5%減の恐れ、全世界も0

ビジネス

米衣料品ランズエンド買収に2社入札、オーセンティッ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索隊が発見した「衝撃の痕跡」
  • 3
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 4
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 5
    米軍が「米本土への前例なき脅威」と呼ぶ中国「ロケ…
  • 6
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 7
    熱中症対策の決定打が、どうして日本では普及しない…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 10
    「22歳のド素人」がテロ対策トップに...アメリカが「…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 7
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中