相次ぐ熱波で欧州成長率0.5％減の恐れ、全世界も0.6％縮小＝報告

アリアンツ・リサーチは、欧州全域で最近発生している熱波で２０２５年の域内経済成長率が０．５％ポイント押し下げられる可能性があるとの報告を発表した。写真は７月１日、イタリアのローマで撮影（２０２５年　ロイター/Antonio Denti）

Maria Martinez

[ベルリン ２日 ロイター] - アリアンツ・リサーチは、欧州全域で最近発生している熱波で２０２５年の域内経済成長率が０．５％ポイント押し下げられる可能性があるとの報告を発表した。気温が３２度を超える日はストライキが半日行われるのと同等の経済的影響があるとした。

欧州における国内総生産（ＧＤＰ）の押し下げ幅は、ドイツで０．１％ポイント、夏季の気温が約１０度高いスペインで最大１．４％ポイントなどという。

また世界全体では、今年の熱波によりＧＤＰが０．６％ポイント縮小する可能性があるとみられているほか、中国、スペイン、イタリア、ギリシャはそれぞれ約１％ポイント、米国は約０．６％ポイント、フランスは最大０．３％ポイント縮小する可能性があるという。

気候変動で熱波、干ばつ、森林火災の頻度と規模が増大し、経済への悪影響が広範囲に及んでいる。

極端な気温は労働生産性も低下させ、国際労働機関（ＩＬＯ）は２０３０年までに世界の潜在労働時間が２．２％減少すると予測している。

一方、アリアンツ・リサーチは暑さによる生産性低下は軽減できるとし、都市部や職場における構造的対策を求めている。