コラム

プロ投資家が指摘...「103万の壁」撤廃で「ある業界」の成長も? 石破・トランプ政権で投資のリスクはどうなる?

2025年01月29日(水)17時27分

資産運用会社レオス・キャピタルワークス経済調査室長 三宅一弘氏

資産運用会社レオス・キャピタルワークス経済調査室長 三宅一弘氏(「お金のまなびば!」より)

自民党議員からは「3月の予算成立まで、もしくは参院選の前まで石破総理でいくべき」との声が多い。内閣支持率が低いままだと7月の参議院選挙に負ける可能性があり、「3月から7月までは国内政治が不安定になる可能性があるのでないか」と三宅氏は指摘する。

「103万円の壁」撤廃で若者向けアパレル、外食産業が急成長?

藤野氏はアメリカに比べて日本経済が停滞しているように見える要因の1つに、「会社の利益が従業員や投資家に還元されていないこと」を指摘する。

日本のBPS(1株当たり純資産)推移はアメリカやヨーロッパに比べて上昇しており、「財務の安定性」という面では悪くないように見える。

しかし、アメリカやヨーロッパのBPSの年次推移が緩やかに見えるのは会社が収益を溜め込まずに投資家や従業員に還元していることの表れであり、藤野氏は「日本人はもっと怒らなければならない」と、企業にプレッシャーを与えることの必要性を訴えた。

また、昨年から議論されている「103万円の壁」問題について、藤野氏は「人手不足解消や所得増大のためにも撤廃したほうがよい」と語る。

「働き控え」がなくなることで中堅所得層の手取りが増えれば、消費拡大につながるだろう。結果的に、消費関連株が上がる可能性も高いという。「2025年、若者向けアパレルや外食産業が大きなテーマになるのではないか」と藤野氏は予想する。

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インド機墜落事故、米当局が現地調査 遺体身元確認作

ビジネス

日経平均は反発で寄り付く、円安で買い優勢 前週末の

ビジネス

アマゾン、豪データセンターに5年間で130億ドル投

ワールド

イラン世界最大級ガス田で一部生産停止、イスラエル攻
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story