最新記事
テクノロジー

AI革命は、アメリカではなく中国から低料金でやってきた!?【トランプ2.0】

Trump's Favored Tech Titans See Billions Wiped Out in AI Market Sell-Off

2025年1月28日(火)18時20分
ジーザス・メサ
トランプ就任式とIT富豪たち

トランプの2度目の大統領就任式に集ったテックCEOたち。一週間後、世界有数の大富豪たちは、中国発DeepSeekショックで大損を被った(1月20日、連邦議会議事堂ロタンダ) SHAWN THEW/Pool via REUTERS

<中国のAIベンチャーの登場で、つい一週間前にはトランプの2度目の大統領就任式に出て栄華を誇っていたテック業界の大物たちが負け組になる?>

ドナルド・トランプ米大統領の就任式からわずか一週間。米議会議事堂で行われた就任式に得意げに列席していた米テック業界のビリオネア(資産10億ドル超を保有する最富裕層)たちの懐を激震が襲った。

1月27日、中国の小規模な人工知能(AI)新興企業DeepSeek(ディープシーク)の恐るべき競争力が明らかとなり、NVIDIA(エヌビディア)やブロードコム、マイクロソフトをはじめとする米テック関連銘柄の時価総額額が一気に数十億ドルも吹き飛んだのだ。

【AIに聞いた、「DeepSeekはどんな会社?」】




DeepSeek は、中国の AI スタートアップで、2023 年に杭州で設立されました 。同社は、グローバルな AI 開発を目指しており、自然言語処理 (NLP) や画像認識の分野で優れた成果を上げています ChatGPT や Gemini などの有名なモデルに匹敵する性能と使いやすさを持ちながら、利用コストが格安であることから注目されています


27日、米テック関連銘柄は軒並み急落した。ディープシークが、生成AI開発の最前線にいる米企業に追いついただけでなく、米企業と比べて圧倒的な低コストで開発を実現したことに対する懸念が広まったためだ。

米生成AIスタートアップ「アンソロピック」のダリオ・アモデイCEOは2024年、あるポッドキャスト番組の中で、一部のAIモデルについては訓練に最大10億ドルのコストがかかる可能性があることを明かした。

生成AI分野で世界をリードするアメリカの「オープンAI」は大規模言語モデル(LLM)「GPT-4」の開発に約1億ドルを費やしたとされが、ディープシークがLLM開発にかけた費用は600万ドル未満だと報じられた。27日には、米アプリストアでオープンAI のChatGPTを抜いてダウンロード数1位に躍り出た。

日本企業
タイミーが仕掛ける「一次産業革命」とは? 農家の「攻めの経営」を後押しするスキマバイトの可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米フィンランド首脳が会談、北極の安保強化に砕氷船取

ワールド

NATO、スペイン除名を検討すべき 国防費巡り=ト

ワールド

トランプ氏、12日に中東に出発 人質解放に先立ちエ

ワールド

中国からの輸入、通商関係改善なければ「大部分」停止
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル賞の部門はどれ?
  • 3
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 4
    50代女性の睡眠時間を奪うのは高校生の子どもの弁当…
  • 5
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 6
    あなたは何型に当てはまる?「5つの睡眠タイプ」で記…
  • 7
    史上最大級の航空ミステリー、太平洋上で消息を絶っ…
  • 8
    米、ガザ戦争などの財政負担が300億ドルを突破──突出…
  • 9
    底知れぬエジプトの「可能性」を日本が引き出す理由─…
  • 10
    【クイズ】イタリアではない?...世界で最も「ニンニ…
  • 1
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 8
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中