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シンギュラリティ「任期中に来る可能性高い」 安野貴博に聞いた、AI時代を生き抜くうえで一番大事な力とは?
茜 安野さんが作成したウェブサービスと言えば、高校の時に作った「画像に名画っぽい名前をつけるもの*」もありましたね。
*ねみんぐ!:画像をアップロードすると名画風の名前をつけてくれるというサービス。安野さんを含む当時高校生の三人が遠隔地に住みながら開発して話題になった
安野 そうですね、それも結構大きい出来事でしたね。高校1、2年生くらいの時にネットで知り合った友達と一緒に作りました。
当時は「脳内メーカー」が流行っていたんです。名前を入れると、脳内の断面図に自分の考えていることが単語で描かれて表示されるジョークアプリです。その延長線上みたいな形で、画像をアップロードするとその画像に名画風の名前と評価額が表示されるアプリを作りました。
茜 名画風の名前って、例えばどんなものですか?
安野 「混乱と絶望」とか。ちょっとありそうなやつを組み合わせて付けるという。
茜 ちょっと中二病っぽいというか、かっこいい感じなんですね。
安野 当時は「マルコフ連鎖モデル*」という、意味はそんなにつながっていないけれど文法的にはそれなりに正しくなる、それっぽいものを出す技術がありました。それを使ってタイトルを付けて、ランダムに評価額も出しました。
*マルコフ連鎖モデル:現在の状態だけに基づき次の状態の確率を決める数学的枠組みで、未来予測や解析に広く応用される
そうしたら「意外とその画像に対しては、こういった着眼点もあるのか」と予期せぬ発見みたいなムーブが起こって、「この切り口はランダムだから出てくる面白さを拾っている」などとバズったりしました。
茜 単なるジョークアプリではなくて、意外と深遠だったみたいな見方がでてきたんですね。
安野 深遠さを人間が見出してしまったという。深遠な単語と何か画像があるとそこから意味を見出そうとする、人間の特性が良い方向に働いたという感じです。ただのマルコフ連鎖モデルなので、画像の中身はまったく見ていないはずなのに、というところが面白いですね。
茜 そうなんですね。今まで挙げていただいた転機が、現在にもつながっている、今思えばこういうところが原点だったなというような、現在からの評価はありますか?
安野 ずっと同じことをやっているなと思います。「0から1」を繰り返しているということです。今回も国政政党をゼロから作って、そこから今まではなかった動き方で政治活動をしていますから。
スタートアップも、自分でプロダクト作ることも、国政政党もそうだと思うんですけれど、テクノロジーも使いながら世の中をどういうふうにしていくとよいのだろうか、どうすると問題解決できるのだろうかというのを、ずっと考えてやってきているなと思います。
茜 0から1に興味があるとおっしゃいましたが、1を2にすることとか、例えば科学論文だとAからA'の論文とかありますよね。そういうところには興味はありますか。
安野 科学論文だと100から101みたいな、その積み上げていくところですよね。そうですね、これはたぶん得意・不得意があると思っています。
私が得意なのは0から1のほうだと思います。それから、1から10というところも頑張ろうと思えば頑張れるけれど、おそらく100から101はそんなに向いていないタイプです。だから、それぞれの分野で必要な人がやるのがいいだろうと思っています。
プレゼンでプロポーズ?
茜 3つの転機のお話に出て来なかったなと思うのが、プロポーズの時に指輪ケースをパカッと開けるのではなく、マッキントッシュ(のノートパソコン)をパカッと開けたという逸話があるじゃないですか。
安野 プロポーズのときの「結婚するとよいのではないか」というスライドのプレゼンですね(笑)。たしかに、それも転機ですね。
安野 黒岩(妻の里奈さん)と結婚するときに、プロポーズをするからにはその背景の様々な「なぜ結婚するとよいのだろうか」ということをしっかりと理解していただくのが筋だろうなと思いまして、何枚かのスライドを作ってご説明をさせていただきました。
茜 でも、パートナーの方は「指輪のパカッ」のほうも欲しかったのではないですか?
安野 それはそれで、後からちゃんとやらせていただきました。