最新記事
AI

あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...ChatGPTがもたらした言葉の地殻変動【note限定公開記事】

Chat Like a Bot

2025年10月12日(日)08時05分
メリッサ・フルール・アフシャー(生活・トレンド担当)
チャットGPTなどAIが人間の言葉を形づくる時代を描いたイラスト

ILLUSTRATION BY MOOR STUDIO/GETTY IMAGES

<チャットGPTの登場で特定の言葉の使用頻度に変化が。対話型AIシステムの「流行語」が人間世界に浸透中>


▼目次
1.ミレニアル&Z世代に広がる「AI話法」
2.AIが言葉選びを「誘導」

1.ミレニアル&Z世代に広がる「AI話法」

今では1億人以上が日常的に使う対話型AI(人工知能)のチャットGPT。

これらのAIツールが特にデジタルネイティブのミレニアル世代とZ世代に広く普及しているなか、私たちのコミュニケーション方法に与える影響を懸念する声もある。

対話型AIが私たちの話し方に影響を与えているかどうかを調べるため、米フロリダ州立大学の研究チームは初の査読付き分析を実施。

これらのツールが頻繁に提案する単語の一部が「浸透効果」で日常会話に登場する頻度が増していることを突き止めた。

従来のような世界の出来事や文化の変化に関連する語彙の急増(コロナ禍での「オミクロン株」など)と違い、チャットGPTのリリース後はAIツールで一般的に使われる用語が急増していることが分かったという。

「台本なしの(発言者が自発的に言葉を選ぶ)科学・技術系ポッドキャストからデータを収集し、チャットGPTがリリースされた2022年前後の語彙の使用傾向を分析した」と、本研究の主任研究者であるフロリダ州立大学のトム・ユゼク助教(コンピューター言語学)は本誌に語った。

その結果、例えば「surpass(超える)」「boast(誇る)」「strategically(戦略的に)」などAI関連の単語は緩やかながら大幅に増加していたが、同義語の使用頻度は変わらなかったという。

つまり、AIがこうした変化を促している可能性があるわけだ。

同大学の現代言語学・言語学部とコンピューター科学部と数学部の共同研究チームは合計2210万語に及ぶデータを分析。

AIツールの登場で「delve(掘り下げる)」「intricate(複雑な)」などの単語が特に教育や学術的文書で頻繁に使われるようになったことが分かった。

調査対象の単語の4分の3近くの使用頻度が増加、中には2倍以上になった例もあるという。

2.盗用より怖い言語の「均質化」

◇ ◇ ◇

記事の続きはメディアプラットフォーム「note」のニューズウィーク日本版公式アカウントで公開しています。

【note限定公開記事】あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...ChatGPTがもたらした言葉の地殻変動


ニューズウィーク日本版「note」公式アカウント開設のお知らせ

公式サイトで日々公開している無料記事とは異なり、noteでは定期購読会員向けにより選び抜いた国際記事を安定して、継続的に届けていく仕組みを整えています。翻訳記事についても、速報性よりも「読んで深く理解できること」に重きを置いたラインナップを選定。一人でも多くの方に、時間をかけて読む価値のある国際情報を、信頼できる形でお届けしたいと考えています。


ニューズウィーク日本版 ガザの叫びを聞け
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月2日号(11月26日発売)は「ガザの叫びを聞け」特集。「天井なき監獄」を生きる若者たちがつづった10年の記録[PLUS]強硬中国のトリセツ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ホワイトハウス付近で銃撃、トランプ氏は不在 容疑

ビジネス

中国は競争相手にシフト、欧州は内需拡大重視すべき=

ビジネス

米経済活動、ほぼ変化なし 雇用減速・物価は緩やかに

ビジネス

米国株式市場=4日続伸、ダウ314ドル高 利下げ観
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 8
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 9
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中