コラム

FIFA会長「ゲイはセックス自粛を」

2010年12月15日(水)16時14分

お世辞にも尊敬されているとは言えないFIFAのブラッター会長

つい本音が お世辞にも尊敬されているとは言えないFIFAのブラッター会長 Stefan Wermuth-Reuters

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 FIFA(国際サッカー連盟)のジョセフ・ブラッター会長はお世辞にも尊敬されるスポーツ関係者とは言えないが、口を閉じている能もないらしい。2022年のサッカーワールドカップ(W杯)開催地がカタールに決まり、敗れたアメリカの憤りがようやく収まってきた矢先のこと。ブラッターはW杯開催地としてカタールがふさわしくないもう一つの問題点を図らずも全世界に暴露してしまった。

 カタールでは同性愛が違法とされている。それでも開催地に選ばれたということは、FIFAがこれを差別と考えていない証拠だろう。W杯では準々決勝のキックオフ前に選手が人種差別反対宣言をすることになっているが、人種差別以外の差別や迫害については一言も触れていない。その理由もこれで腑に落ちた。

 W杯を観戦したいのはやまやまだが、カタールに行くことには不安を感じる同性愛者のサッカーファンに対して、ブラッターが提示した解決策はこれだ。


 同性愛者は、(カタールでは)性的行為を一切自粛するべきだろう。


 ......ウソだろう?

 NBA(全米プロバスケットボール協会)の元選手で、07年に同性愛者だとカミングアウトしたジョン・アメーチはBBCラジオでこう話した。「公共の場でセックスした人を処罰するかどうかの話なんか誰もしていない。問題は、カタールが同性愛を犯罪とを認める国連決議に賛成した79カ国のうちの1だということだ」(国連は11月、差別的処刑に対する非難決議の対象から「性的指向」の項目を削除することを79対70で決議した)


 FIFAは「FIFAの使命」を次のように宣言している。
 
 ......重要なのは結束だ。サッカーを通じて世界の結束を強めること、サッカーの力で性別、民族、信仰や文化の違い超えた連帯を図ることこそがFIFAの使命だ。

 あれ、この中に「性的指向」は含まれないのだろうか?

──アンドルー・スウィフト
[米国東部時間2010年12月14日(火)16時37分更新]

Reprinted with permission from FP Passport,, 15/12/2010.© 2010 by The Washington Post Company.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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