最新記事
海洋生物

口の中で困惑する姿が...ザトウクジラが「丸呑み」したまさかの生物とは? 二度と撮れない「大ピンチ」の瞬間が話題に

Shocked Seal Scooped up by Huge Humpback Whale

2024年9月20日(金)12時40分
マイケル・D・キャロル
ザトウクジラ

(写真はイメージです) Manuel Balesteri-Shutterstock

<ホエールウォッチング中に撮影されたザトウクジラの口から顔を出していたのは...>

ある自然愛好家はまたとないシーンを撮影し、驚嘆することとなった。体重40トンものザトウクジラに誤飲(丸呑み)されてしまったアザラシが、クジラの口の中で困惑する姿が写っていたのだ。

【写真】口の中から困惑の表情...ザトウクジラがアザラシを「丸呑み」する決定的瞬間

米ワシントン州アナコルテス沖で12日、タイラー・マッキーンが操縦する「ブルー・キングダム・ホエール・アンド・ワイルドライフ・ツアーズ」のボートが、魚の群れに向かって泳ぐザトウクジラを発見した。

マッキーンによれば、このザトウクジラは「ジマー」として地元では知られており、セイリッシュ海のクジラたちがよく見せる「突進採餌」を行い、口を大きく開けて小魚や海水を飲み込んでいたという。

しかしジマーはその後、通常なら魚を濾し取るために潜るところを水面にとどまって口を開けたり閉めたりし、それからようやく波間に消えていった。

マッキーンと乗客たちは撮影した動画を確認し、衝撃的な事実に気付いた。

「全員が動画を再生して拡大するのに、ほんの数秒しかかかりませんでした」とマッキーンは振り返る。「そこにはアザラシがいました。とても面白い瞬間でした。アザラシにとってはそれほど面白くなかったかもしれませんが」

ブルー・キングダム(ツアー会社)のブルック・カサノバが撮影した写真には、ザトウクジラの口からアザラシが顔を出しているところが写っている。おそらくアザラシもジマーと同じように魚の群れを狙っていたのだろう。マッキーンが携帯電話で撮影した動画には、ジマーがアザラシを吐き出す様子が記録されている。

「この魚を食べる生き物は他にもたくさんいるから、多分こういう状況が時々起こっているんじゃないかと思います」とマッキーンは話す。

ラッコ6頭を丸呑みしたシャチも

この驚くべき出来事は、海洋哺乳類が珍しい生物を飲み込んでしまった初めての事例ではない。2023年10月には、ベーリング海にあるロシアのコマンドルスキー諸島で体重約117キロのシャチの死体が発見された。報告によれば、理由は不明だが6頭のラッコを丸呑みしていたという。

また、2021年6月にマサチューセッツ州プロビンスタウン沖でロブスター漁のために潜っていたマイケル・パッカードがクジラに丸呑みされたと主張したことは有名な話だ。軽傷を負って入院していた彼は、地元紙ケープコッド・タイムズの取材に対し、「突然ものすごい衝撃を感じ、次の瞬間には真っ暗になりました」と説明している。

ザトウクジラは、ワシントン州とカナダ・ブリティッシュコロンビア州に面したセイリッシュ海を回遊のために訪れる。太平洋ホエールウォッチ協会によれば、ザトウクジラは乱獲によってこの海域で一度は姿を消したが、過去25年間で個体数が回復し、2023年には推定396頭まで増加しているという。

本記事の内容には一部、AP通信の報道が含まれている。

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 BTS再始動
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月7号(3月31日発売)は「日本企業に迫る サステナビリティ新基準」特集。国際基準の情報開示や多様な認証制度――本当の「持続可能性」が問われる時代へ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石油市場に十分な供給、ホルムズ海峡通過船舶は増加=

ビジネス

独インフレ率、3月は前年比2.8%に伸び加速 イラ

ワールド

原油相場が「金融市場に大きな影響」、高い緊張感持っ

ワールド

追加協調放出含め、さらなる対応の準備必要と発言=G
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカートニー」を再評価する傑作映画『マン・オン・ザ・ラン』
  • 4
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 5
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 6
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中