最新記事
香港

世界で最も華麗で高額な新高層ビルに差す影

NEW HK ICON

2024年9月19日(木)11時30分
ヒュー・キャメロン
華やかな高層ビル

きらびやかなオフィス街の時代は終わった? BOB HENRYーUCGーUNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES

<ビクトリアハーバーを望む最先端建築はオフィス需要の低迷を乗り越えられるか>

香港のスカイラインに新たなシンボルが誕生した。金融街の中心にそびえる高さ190メートルの高層オフィスビル「ザ・ヘンダーソン」だ。

■【動画】中国の不動産大手が約15兆円を投じてマレーシア南部の人工島の上に作った巨大な街、「想定外すぎる」現在の姿

「世界クラスの建築の職人技を体現するこのプロジェクトは、中環(セントラル)と香港の都市景観を豊かにする」と、恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド・ディベロプメント)会長の李家誠は言う。


香港の不動産開発業者ビッグ4の一角を占めるヘンダーソンが建設地を購入したのは2017年5月のこと。立体駐車場だった50×60メートルの区画を約30億ドル(1平方メートル当たり約100万ドル)で取得し、面積当たりでは史上最も高額な取引となった。

ヘンダーソンはビクトリアハーバーに面しており、中国銀行タワーや国際金融中心など近隣の「伝統的な」超高層ビルの中でもひときわユニークなデザインだ。設計は超モダン建設を得意とするザハ・ハディド・アーキテクツ。曲線が強調された外観を4000枚の反射ガラスが覆う。

香港は投資優遇政策、比較的低い法人税率(16.5%)に加えて、中国やアジア市場へのアクセスのしやすさなどが評価され、企業にとって魅力的な拠点になっている。世界銀行の「ビジネスのしやすさ指数」は現在3位だ。

ヘンダーソンにも投資会社のコラー・キャピタル、高級オークションハウスのクリスティーズ、スイスの高級時計メーカーのオーデマ・ピゲなどの大手企業が最初のテナントとして入居する。

とはいえ、家賃は高く、ニッケイ・アジアによると昨年11月時点で半分しか入居者は決まっていなかった。これは香港の不動産市場の低迷が続いていることを物語る。在宅勤務の増加と新型コロナウイルス後の回復の遅れが、香港のオフィススペースの需要に打撃を与えている。


ニューズウィーク日本版 総力特集:ベネズエラ攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月20号(1月14日発売)は「総力特集:ベネズエラ攻撃」特集。深夜の精密攻撃で反撃を無力化しマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ大統領の本当の狙いは?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ベネズエラ、今月初めの米軍による攻撃で兵士47人死

ワールド

EU、重要インフラでの中国製機器の使用を禁止へ=F

ワールド

イラン抗議デモ、死者3000人超と人権団体 街中は

ワールド

韓国、米のAI半導体関税の影響は限定的 今後の展開
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手がベネズエラ投資に慎重な理由
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 8
    イランの大規模デモ弾圧を可能にした中国の監視技術─…
  • 9
    日中関係悪化は日本の経済、企業にどれほどの影響を…
  • 10
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 6
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 10
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中