最新記事
ウクライナ情勢

ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

Drone video shows dozens of Russians targeted with ATACMS cluster rounds

2024年5月3日(金)17時20分
イザベル・バンブルーゲン
ATACMS

U.S. Army via ABACAPRESS.COM-Reuters

<アメリカがウクライナに供与した陸軍戦術ミサイル(ATACMS)が、東部ルハンスク州のロシア軍拠点に直撃>

ウクライナ東部のルハンスク州で、屋外の訓練場に集合した100人以上のロシア兵士が(アメリカがウクライナに供与した)陸軍戦術ミサイル(ATACMS)の直撃を受ける様子だとされる映像が拡散されている。複数の軍事アナリストが5月1日に共有したもので、クラスター弾によって広範な地域が爆発に見舞われる様子が捉えられている。

■【動画】集合したロシア部隊の頭上に降り注ぐ「クラスター弾」の強烈な爆撃...ATACMSの直撃を受けた瞬間映像

問題の動画は、ロシアとウクライナの戦争に関する画像や動画の位置情報を特定するオープンソースアカウント「GeoConfirmed(ジオコンファームド)」のボランティアが、X(旧ツイッター)上で共有した。

「ウクライナ軍が4発のATACMSを発射。このうち1発は不発だったが、残りはルハンスク州モズニャキウカにあるロシア軍の訓練場に着弾した。映像を見る限り、損失はかなりの規模になりそうだ。前線から80キロメートル離れた場所だ」と同アカウントは述べ、1発目が着弾した後の様子を示す静止画を共有した。

アメリカは最近、ウクライナに最大射程300キロメートルのATACMSを秘密裏に提供していたことを明らかにした。本誌は今回の動画がいつ・どこで撮影されたのかについて独自に確認することができず、ロシア国防省にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。

ロシアの軍事アナリストであるイアン・マトフィエフもこの動画を共有し、犠牲者は数十人にのぼる可能性があると推定した。

「大勢のロシア兵が集まっていた場所に着弾」

「ロシア軍の幹部はまたもや兵士たちを訓練に駆り出し、まとまった数の兵士を軍用トラックの傍に立たせた。だが彼らは、ウクライナ軍が今や高機動ロケット砲システム(HIMARS)に加えてさらに射程の長いATACMSも保有していることを忘れていたようだ」とマトフィエフは書き込み、さらにこう続けた。

「その結果3発のミサイルが撃ち込まれた。死者数は分かっていないが、おそらく数十人にのぼるだろう。ミサイルが着弾したのはルハンスク州ロホーブ村の近く。ウクライナ軍が支配するハルキウ州クピャンスクから100キロメートル離れたあたりだ」

なおアメリカの独立系シンクタンク戦争研究所(ISW)はその後、ロシア兵の死者は116人にのぼるとの分析結果を発表している。

ウクライナ支持のユーザー(((Tendar)))は、ロシア軍の拠点と訓練場がATACMSの攻撃を受けたとXに投稿した。「1発目のATACMSから飛散されたクラスター弾は、大勢のロシア兵が集まっていた場所に着弾した。3発目は数台の車両が木々に隠れていたあたりに命中した」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

クルスク州に少数のウクライナ兵なお潜伏、奪還表明後

ビジネス

ノルウェーのエクイノール、米風力事業中止で数十億ド

ワールド

北朝鮮、ロシア国境の架橋着工を評価 経済関係強化へ

ビジネス

トランプ氏、米経済縮小は「バイデン氏のせい」 関税
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中