コラム

「AutoGPT」は何がすごいのか? 実際に非エンジニアが「記者ボット」を自作してみた

2023年04月21日(金)12時30分

そつなく働く秘書

中断した段階でReporterGPTが選んだ記事のテーマになりそうな最新技術トレンドは次の通り。

・Artificial intelligence and machine learning
・Blockchain technology
・Virtual and augmented reality
・Internet of Things
・5G mobile networks
・Quantum computing
・Robotics and automation
・Cybersecurity and data privacy

まあ、妥当な結果。それぞれのトレンドに関するユーザーの反応や、各社の取り組みに関する情報も集めてきてくれた。情報ソースもしっかりと明記してくれている。記事になりそうなポイントも幾つか提案してくれている。

確かにこれは便利だと思う。

ただ個人的には必要ないかなって思った。これらの情報を眺めてみても、記事を書きたいという気にはなれなかった。わくわくしてこないのだ。

ReporterGPTは始まったばかりのトレンドを統計的に見つけてきてくれるわけだけど、恐らく人口の数%のアーリーアダプターの意見を統合しているんだと思う。ところが数%の先端意見は、私の業務にとってはニュース性が低い。私が欲しいのは、より尖ったトレンド。まだ数人ほどしか気づいていないようなトレンドのことを耳にすると、わくわくしてくる。記事にしたくなる。なので私のような人間には、統計結果を見るより、数人の尖った人たちのTwitterを見ているほうが、役に立つんだと思う。

ただ一般紙の経済記者ならば、数%の先端の人の意見こそが、原稿にしたい部分。そういう記者にとっては非常に役に立つツールなのかもしれない。

プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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