ニュース速報
ワールド

石破首相が辞任表明、米大統領令「一つの区切り」 総裁選出馬せず

2025年09月07日(日)19時13分

9月7日、石破茂首相(写真)は午後に記者会見し、辞任する意向を正式に表明した。自民党本部で7月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Yoshifumi Takemoto Kentaro Sugiyama

[東京 7日 ロイター] - 石破茂首相(自民党総裁)は7日夕、記者会見し、辞任する意向を正式に表明した。日米関税交渉で関税引き下げが明記された米大統領令が発出され、一つの区切りがついたと説明。新総裁を選出する総裁選には出馬せず、後進に道を譲る。

石破首相は会見冒頭、自民党総裁を辞任すると表明。米国の関税措置に関する交渉に一つの区切りがついた今こそ、参院選の敗戦の責任をとるしかるべきタイミングだと考えたと述べた。新たな総裁が選ばれるまで、果たすべき責任を果たし、新総裁にその先を託すと語った。

日米の関税交渉を巡っては5日に日米で覚書の署名が行われ、トランプ米大統領が大統領令を発出した。石破首相は交渉を担当した赤沢亮正経済再生相から直接報告を受け、「私としても一つの区切りがついたと感じることができた」と語った。

7月の参院選での大敗直後に辞職すべきでなかったか、との質問に対しては、日米関税交渉を理由に挙げ「辞める政権とは誰も交渉しない」とし、国益の観点から早期辞職意向は公にできなかったとの考えを示した。

石破首相は、この後に行われる総裁選には出馬しないと明言。政治とカネの問題をはじめ、国民の政治に対する不信をいまだに払拭できていないことは「私にとって最大の心残りだ」と語った。

また「われわれ自民党が信頼を失うことになれば、日本の政治が安易なポピュリズムに堕することになってしまうのではないか、その危惧を私は強めている」と述べた。

自民党は8日に、臨時総裁選の実施要求数を確認し、党所属国会議員と都道府県支部連合会の代表者の総数の過半数から要求があれば総裁選を実施することになっていた。首相は、これが実施される方向に進めば「党内に決定的な分断を生みかねないと考えた」と述べた。

6日夜に菅義偉元首相、小泉進次郎農相と会談した内容については明らかにしなかったが、菅氏が「党の分断はあってはならないと非常に強くおっしゃっていた」と指摘。総裁選の前倒し判断を記名投票とすることで党が2分される可能性を石破氏も共有した可能性を示唆した。

首相の辞任表明により、臨時総裁選をめぐる意思確認などは行われない。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相が退陣表明、米関税で区切り 複数の後任候補

ワールド

石破首相が辞任表明、米大統領令「一つの区切り」 総

ワールド

インドは中国に奪われず、トランプ氏が発言修正

ワールド

26年G20サミット、トランプ氏の米ゴルフ場で開催
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 5
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 6
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 7
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 8
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 9
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 10
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中