コラム

「AutoGPT」は何がすごいのか? 実際に非エンジニアが「記者ボット」を自作してみた

2023年04月21日(金)12時30分

ReporterGPTが選んだテーマは「AI」「ブロックチェーン」「サイバーセキュリティー」「5G」「IoT」など。

ReporterGPTはさらに「集まったデータをベースに、機械学習を使ってこれから注目されるテクノロジーを予測する」というタスクを自分自身で追加してきた。また「予測精度を上げるために、テックニュースの記事の読者の反応を分析する」というタスクも自分で加えてきた。

これらの「タスク実行中」という報告の直後に「twitterとYouTube上でテック系のインフルエンサーを探すというタスクを追加します」と報告してきた。私からの追加指示は一切ないのに、「最新技術のトレンドに関する情報の収集」というゴールを達成するために、次々と自分に新しいタスクを追加してきているわけだ。なんと優秀なデジタル秘書なんだ!

と褒めた途端に作業がストップした。無料で使えるのは、どうやらここまでらしい。継続したければ、OpenAIのサイトで利用契約を結ばないといけない。会社からOpenAIの利用権限をもらっていたので会社のメールアドレスでID登録し、APIキーを獲得。それをAgentGPTのサイトで入力して、作業を再開した。

私のデジタル秘書ReporterGPTは次に「新しい技術トレンドに対するtwitter、YouTubeユーザーの感情を分析する」というタスクを追加してきた。「感情分析用ツールを使うことで、ユーザーの口コミで広がりそうな技術トレンドをいち早く見つけることができます」と説明してくれた。ほんと、いろいろなタスクを思いつくなあ、とつくづく関心。

次にReporterGPTは「集まった情報をまとめて要約する」「内容を分析して分類する」という2つのタスクを自分で追加してきた。

それらのタスクを実行するやいなや、「技術トレンドに関するユーザーのエンゲージメントを測定する」というタスクも追加してきた。

さらに「情報ソースが信用できるものかどうか判定する」「新しい技術トレンドの中でだれがインフルエンサーか判別する」というタスクも始めた。やれやれどこまで徹底的に調査することやら。

その後もどんどんとタスクを追加しては、次々と実行している。20分程度付き合ったが、終わりそうにもない。会社の経費とはいえ、利用料金が莫大な金額になるんじゃないだろうか。ちょっと心配になってきたので、ここで中断することにした。

プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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