コラム

「お茶を一服いかがでしょうか?」...飲み物に畏敬の念を込める日本とジョージアの共通点

2025年10月03日(金)12時40分
ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

その日、着物姿の雅子さんに迎えられ、和菓子と一服のお茶をいただいた。雅子さんのご自宅には、外から見ただけでは想像もつかない、小さな茶室が静かにたたずんでいた。

隣人として数カ月間、顔を合わせてきたが、そのような特別な空間がご自宅にあるとは全く知らなかった。冬の茶釜から立ち上る湯気の温かさは、今も記憶に強く残っている。


この体験を通じて、それまで「知ってはいたけれど、どこか遠い存在」だった茶道を改めて見つめ直し、その奥深さに触れることができた。なぜこれまで、この素晴らしい日本文化の魅力に気付けなかったのかと、自分でも不思議に思うほどだ。

おそらく、それは雅子さんがごく自然に、さりげなく誘ってくださったこと。そして私自身の経験や感性がようやくその味わいに追い付いたこと。この2つの要素が重なり合った結果なのだと思う。

さらに何よりも大きな発見は、茶道とジョージアの宴会文化「スプラ」が驚くほど似ているという点だった。長い間日本に暮らしていながら、この共通点になぜこれまで気付かなかったのか、と。

スプラとは、ワインと食事、器(うつわ)、そして宴会の進行役である「タマダ」によって成り立つ、まさに「おもてなし」と「一期一会」の精神が凝縮された伝統文化である。

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