コラム

在日外国人は米に困っていないし、「令和のコメ騒動」に無関心

2025年06月16日(月)12時35分
周来友(しゅう・らいゆう)(経営者、ジャーナリスト)
コメの高騰(日本のスーパー)

PAPASHARK0514/SHUTTETRSTOCK

<一方、中国国内ではなぜか大きな話題に...>

中国では男性も家事をするのが一般的だ。私自身、自営業で時間の融通をつけやすい事情もあるが、自ら買い出しに行き、家族のために料理をする。

だから「コメを買ったことがない」自民党のどなたかと違って、コメの高騰ぶりは実感している。近所のスーパーでは、以前は5キロで3000円を切っていた銘柄米も5000円を超え、いまだ下がる気配はない。小泉進次郎農林水産相が矢継ぎ早に備蓄米を市場に投入しているものの、育ち盛りの息子が4人もいる6人家族のわが家にとって、厳しい状況に変わりはない。


さて、世間をにぎわすこの「令和のコメ騒動」。日本の人口の約3%を占める在留外国人たちはどう見ているのか。日本人と同じように、高騰ぶりに悲鳴を上げ、備蓄米を売るスーパーで行列を作っているのだろうか。

結論を言えば、ほとんどの外国人は「無関心」。日本人の騒動などわれ関せずといったところだ。わが家のような国際結婚家庭や、日本のコメを扱う飲食店オーナーなど、打撃を受けている外国人はむしろ少数派だ。日本の皆さん、共感の声が少なくてすみません。

そもそも中国でコメを主食とするのは南部の人々。北部の主食はコメではなく、小麦を原料とする麺やマントウ(蒸しパン)だ。コメを食べる機会が少ないので、人ごとなのである。南部出身者にしても、私がSNSで問いかけると、「日本は相対的に生活費が安いので高騰は気にならない」と回答する人も多く、冗談で「コメをやめて、ステーキを主食にする」などと返答する人までいた。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

訂正-スペインで猛暑による死者1180人、昨年の1

ビジネス

中国GDP、第2四半期は5.2%増で予想上回る 米

ワールド

インド6月卸売物価指数、前年比-0.13% 19カ

ビジネス

午前の日経平均は小反発、国内金利上昇で上値重い 金
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 6
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 7
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 10
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story