コラム

Kポップ、スラムダンク、韓ドラ、ユニクロ...両想いの日韓関係を大事にしたい

2023年07月10日(月)11時50分
カン・ハンナ(歌人、タレント、国際文化研究者)
日本、韓国、BTS

ソウルのカフェで抱き合う日韓のBTSファン KIM HONG-JI-REUTERS

<いま、日韓関係が改善へ向かっている。「文化の力」も良い影響を与えたと思うが、それは日本における韓国コンテンツの人気だけではない>

日本と韓国の政治関係が今、良い方向に進もうとしているのはとてもうれしい。この数年なかなか歩み寄れなかった日韓関係にやっと光が見えてきた。

この変化について、メディアでは北朝鮮の脅威やアメリカの要請などの影響が大きかったのではないかという見方があるが、私は「文化の力」も良い影響を与えたと思う。

日韓関係が悪化していたこの数年、日本のマスメディアからは韓国コンテンツが減少していたけれど、デジタルプラットフォームを中心に日本でも韓国ドラマやKポップの人気がますます高まっている。

コロナ禍の中で韓国ドラマが大ヒットとなり、今もネットフリックスの人気作品ランキング(日本基準)には必ず韓国コンテンツがいくつか入っている。また、BTSの日本のファンクラブ会員は約70万人(2021年推計)、つい最近行われたBLACKPINKの日本ツアーは東京と大阪の公演チケットが全て発売と同時に即完売と、とにかく熱狂的なファンが確実に増えていることを感じる。

最近だと語学とともにダンスや歌を学ぶために韓国へ留学する人も増えており、若者たちの間では日韓カップルの動画コンテンツが人気を集めている。

ところで、相手国の文化に興味を持っているのは日本だけでの話ではない。

韓国でも今年の1月に公開された日本のアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』が韓国における日本映画歴代興収ランキング1位の座に就き、400万人近くの観客を動員した。原作マンガの新装再編版は100万部を突破し、その人気に後押しされ、神奈川県の江ノ島周辺でスラムダンクの聖地巡りをしている韓国人観光客を見かけることも珍しくない。

そのほか、韓国で2019年に始まった日本製品不買運動「ノージャパン」で打撃を受けたユニクロも昨年は回復傾向を見せ、8000億ウォン(約880億円)超を売り上げて韓国のSPA(製造小売り)ブランドの1位となった。今はユニクロの人気アイテムがすぐ完売となるほど愛用されている。

ソウルの街中には日本式の居酒屋が目立つほど多く、焼き鳥を食べながら日本酒を飲むのが好きな若者も増えている。

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