コラム

文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗り越えられる

2025年11月13日(木)19時05分
ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)
外国人観光客

STANISLAV KOGIKUーSOPA IMAGESーREUTERS

<「他者を迎える力」は、自国の文化への自信から生まれる。日本とジョージアに共通する「文化でつなぐ寛容」について>

移民や外国人をめぐる問題は、今や世界中のどの国においても避けて通れない重要なテーマとなっている。

日本も例外ではない。近年、観光客の増加や労働人口の減少といった社会的背景の下、「外国人をどのように受け入れるか」が大きな注目を集めている。


市場を支える働き手を確保し、経済活力の維持を図るためにも、日本政府は外国人労働者受け入れ拡大の方針を明確に打ち出し、今年8月末には法務大臣が「外国人の受入れの基本的な在り方の検討のための論点整理」を通じて、その道筋を提示した。

これは、日本社会がこれまで以上に多様な背景を持つ人々と共に歩む時代へと移行しつつあることを示すものだ。

私の母国ジョージアも、長い歴史の中で多くの外国人を受け入れてきた経験を持つ。首都トビリシでは、ユダヤ教徒、イスラム教徒、異なる宗派のキリスト教徒たちが長く共生してきた。

興味深いのは、宗教の違いを理由とした戦争がこの地で起こった記録が残っていないという点だ。互いの信仰や文化を尊重しながら共に暮らすという姿勢こそが、ジョージア社会のしなやかな強さと寛容性を支えてきたのである。

地理的に東西の文化交流の要所にあるジョージアでは、旅人を迎えることを喜びとする「おもてなし」の文化が深く根付いている。他者を歓迎するこの寛容性は、今や観光という国の経済の柱の1つを支える原動力にもなっている。

プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アンソロピック、AI軍事利用の制限緩和しない意向=

ワールド

米国務省、ロシア攻撃で米の利益損なわないよう警告 

ビジネス

ワーナー、パラマウントと交渉へ 1株31ドルの新提

ビジネス

FRB当局者2人、当面の金利据え置き示唆 現行策「
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 8
    「極めて危険」──ゼレンスキー、ロシアにおける北朝…
  • 9
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 10
    武士はロマンで戦ったわけではない...命を懸けた「損…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story