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アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴エリートたちの報復が始まる

The Scholar Who Predicted America's Breakdown Says It's Just Beginning

2025年6月10日(火)18時59分
ジーザス・メサ

2期目のドナルド・トランプ米政権が始まった現在、アメリカはかつてないほどの分断に引き裂かれ、国家機構に対する不信感は過去最高の水準に達し、鋭い政治的対立が表面化している。ターチンのかつての予測が驚くほど当てはまっているようだ。

ロサンゼルスでトランプによる移民取り締まりの強化に反発する市民が暴徒化し、現地に州兵が派遣されて緊張が高まるなか、ターチンが本誌の取材に応じた。彼はアメリカの政治的混乱と、10年以上前からアメリカを危機に向かわせてきた、より根深い構造的要因について語った。


ターチンは2010年にネイチャー誌に発表した分析の中で、アメリカの有権者にみられる幾つかの「前兆」を指摘していた。賃金の停滞、富の格差の拡大、高学歴な人材が溢れてエリートが職に就けない状態、そして増大する財政赤字だ。

アメリカは、1970年代には既に転換点を迎えていたとターチンは主張する。「一見ばらばらに見えるこれらの社会的指標は、実は互いに関連しあっている」と、当時彼は記していた。

「今はこれらすべてが深刻化している」とターチンは本誌とのインタビューで述べ、実質賃金の停滞やAIが専門職の人々にもたらす影響、制御不能になりつつある財政支出などをその例として挙げている。

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