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歴史動態

アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴エリートたちの報復が始まる

The Scholar Who Predicted America's Breakdown Says It's Just Beginning

2025年6月10日(火)18時59分
ジーザス・メサ

「社会がエリート志望者を過剰に生み出し、ポストが不足する時、地位獲得競争は激化する」とサボライネンは書く。「野心的だが挫折した人々は幻滅し、過激化していく。制度に組み込まれるのではなく、それを破壊しようとするようになる」

DEI(多様性・公平性・包摂性)の否定や学術研究プログラムの解体、公的機関への予算削減といったトランプの政策は、1970年代のような不安定性を再燃させる可能性があると警告する。


過激化した知識階級は「批判的思考、倫理観から制度を裁く思考法、そして社会構造に問題の原因を求める視点を身につけている。これはかつての急進主義者たちに見られた特徴と一致する」。

現在はコネチカット大学の名誉教授であるターチンは、アメリカの制度は「革命的状況」に突入したと考えている。制度の限界を超え、不満と対立が爆発寸前まで高まっていた状態だ。

「2020年以降、歴史は加速した」と、自身のニュースレター「クリオダイナミカ(歴史動体学)」にも書いている。彼と同僚のアンドレイ・コロタエフは、2020年に向かって西側の民主国家における反政府デモや暴動が増加したことを突き止めた。政治不安はこの時期に沈静化する、と予測されていたにもかかわらず、だ。

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