中国戦闘機「殲10」が仏機を撃墜...実力は本物? 世界の戦闘機調達が変わる
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仏機を撃墜したとされる中国の殲10(写真は2024年の中国の航空ショー) SONG ZEYIーVCGーREUTERS
<4月の印パ紛争で戦闘実績が乏しい中国製戦闘機がインド空軍のフランス製ラファール戦闘機を撃墜。この「実績」が大きな議論を巻き起こしている>
4月下旬からのインドとパキスタンの衝突で、中国製戦闘機「殲10」を運用するパキスタンが、インド空軍のラファール戦闘機を少なくとも1機撃墜したと報じられた。
フランスのダッソー・アビアシオンが製造するラファールは、インドが保有する最も先進的な戦闘機の1つだ。紛争勃発の数日前、インドは約74億ドルでラファールをさらに26機購入する契約を締結したと発表していた。
戦闘実績がほとんどない中国製戦闘機がラファールを撃墜したとみられることで、中国兵器の性能と、そもそもダッソーから先進兵器を調達したインドの選択をめぐり、激しい議論が起きている。
それは東南アジアにも影響を与えている。同地域では多くの国が軍の近代化を進めており、フランスをはじめとするヨーロッパの兵器供給国と防衛関係を深めているからだ。
インドネシアは非常に積極的で、ダッソーからラファール42機を約80億ドルで購入する契約を締結しており、最初の機体は来年納入される。航空分野以外でも、イタリアのフィンカンティエリから哨戒艦2隻を約12億5000万ドルで購入。また、英バブコックからライセンスを受けて国営造船会社PALインドネシアがフリゲート2隻を建造中だ。
隣国マレーシアでは、仏ナバルグループが沿海域戦闘艦6隻の海軍への納入を支援している。フィリピンは、沿岸警備隊の強化のためフランスから高速巡視艇40隻を調達すると発表した。