最新記事
軍事

中国戦闘機「殲10」が仏機を撃墜...実力は本物? 世界の戦闘機調達が変わる

Upgrading Asian Defense

2025年5月27日(火)17時45分
ジェームズ・ギルド
仏機を撃墜したとされる中国の殲10(写真は2024年の中国の航空ショー)

仏機を撃墜したとされる中国の殲10(写真は2024年の中国の航空ショー) SONG ZEYIーVCGーREUTERS

<4月の印パ紛争で戦闘実績が乏しい中国製戦闘機がインド空軍のフランス製ラファール戦闘機を撃墜。この「実績」が大きな議論を巻き起こしている>

4月下旬からのインドとパキスタンの衝突で、中国製戦闘機「殲10」を運用するパキスタンが、インド空軍のラファール戦闘機を少なくとも1機撃墜したと報じられた。

【動画】撃墜されたインド航空機を嘲笑する中国人

フランスのダッソー・アビアシオンが製造するラファールは、インドが保有する最も先進的な戦闘機の1つだ。紛争勃発の数日前、インドは約74億ドルでラファールをさらに26機購入する契約を締結したと発表していた。

戦闘実績がほとんどない中国製戦闘機がラファールを撃墜したとみられることで、中国兵器の性能と、そもそもダッソーから先進兵器を調達したインドの選択をめぐり、激しい議論が起きている。


それは東南アジアにも影響を与えている。同地域では多くの国が軍の近代化を進めており、フランスをはじめとするヨーロッパの兵器供給国と防衛関係を深めているからだ。

インドネシアは非常に積極的で、ダッソーからラファール42機を約80億ドルで購入する契約を締結しており、最初の機体は来年納入される。航空分野以外でも、イタリアのフィンカンティエリから哨戒艦2隻を約12億5000万ドルで購入。また、英バブコックからライセンスを受けて国営造船会社PALインドネシアがフリゲート2隻を建造中だ。

隣国マレーシアでは、仏ナバルグループが沿海域戦闘艦6隻の海軍への納入を支援している。フィリピンは、沿岸警備隊の強化のためフランスから高速巡視艇40隻を調達すると発表した。

テクノロジー
「誰もが虜になる」爽快体験...次世代エアモビリティが起こす「空の移動革命」の無限の可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアの直接交渉案、和平への期待高まる=トルコ大統

ビジネス

米コストコ、2―5月期売上高は8%増 市場予想を下

ビジネス

トランプ政権、150日間最大15%の関税を適用する

ワールド

トランプ氏、政権去るマスク氏を「素晴らしい」と称賛
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「地上で最も幸せな場所」に家を買う方法と「必要な覚悟」
  • 4
    中国戦闘機「殲10」が仏機を撃墜...実力は本物? 世…
  • 5
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 6
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 7
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 9
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 5
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 6
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 7
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 10
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中