最新記事

ルポ特別養子縁組

「養子縁組」で母になったTBS久保田智子、いま何を思うのか

2020年12月13日(日)16時00分
小暮聡子(本誌記者)

一児の母となった久保田智子が語る、幸せのカタチとは(11月末、久保田の自宅にて撮影) Photograph by Mayumi Suzuki for Newsweek Japan

<TBS元アナウンサーの久保田智子は、特別養子縁組制度がつないだ縁で母になった。なぜその選択をしたのか、「家族」に血のつながりは必要か、彼女が語る「幸せのカタチ」とは――>

TBSの元アナウンサーで、2016年に退社後、今月1日付で同社の報道局に復帰した久保田智子(43)は現在、1歳10カ月の女児の母だ。彼女は19年1月、特別養子縁組がつないだ縁で生後4日目のハナちゃん(仮名)を養子に迎えた。

特別養子縁組とは、厚生労働省の言葉で言うと「子の福祉を積極的に確保する観点から、戸籍の記載が実親子とほぼ同様の縁組形式を取るものとして、昭和62年に成立した縁組形式」のことだ。普通養子縁組と違って、特別養子縁組は生みの親との親族関係を終了し、法律上も「実の親子」になる制度である。
20201222Issue_cover200.jpg
12月15日(火)発売のニューズウィーク日本版(12月22日号)「ルポ特別養子縁組 ~私が母になるまで」では、久保田と、夫である日本テレビ記者の平本典昭(42)がハナちゃんに出会い、家族を作っていく道のりを特集する。

なぜ特別養子縁組という選択をしたのか、ハナちゃんを育てる中でいま何を思うのか、久保田に本誌・小暮聡子が聞いた。

◇ ◇ ◇


――今、ハナちゃんは1歳10カ月。母になって、思うことは?

何だろう、ハナちゃんがいて、毎日が本当に幸せだなぁって......。ずっと一緒にいて生活していくと、そこで得られるものは自分の想像をはるかに超えていた。

ハナちゃんに出会うまでは、人からどう見られるかばかりを気にしていた。でも今は、人に何と思われてもいいや、ハナちゃんのために出来ることを優先したいと思える、そんなにも大切なものができた。 大変なことでさえも、とても前向きに捉えている。

――子供を欲しいと思ったのはいつ頃か。なぜ、養子縁組をしようと思ったのか。

20代の時、自分が不妊症であると知った。お医者さんは、子供は難しいでしょうという言い方をしていた。できないかもしれないと思ったところが、欲しいと思った始まりのような気がする。

それからは、恋愛をするたびに考えていた。どういうテンションで、どういうタイミングで、でも私、子供ができないかもしれないんだよねって相手に言うのかなって。

一方で、私は早い段階から養子縁組という選択肢を知識として得ていた。高校の保健体育の授業で、性教育の一環として、中には子供を儲けることができない夫婦もいるけれど養子縁組という可能性もある、と教えられていた。

TBSに入社後に見た『報道特集』の番組でも、若い夫婦が養子縁組をする様子がとにかく明るいトーンで描かれていた。早いうちから養子という選択肢が自分の中にあったことは、私にとってはとても良かった。

――今回、本誌の特集の取材を受けることにした理由についても、養子縁組という選択肢を伝えたいと話していた。

こんなに幸せなことが起こるなら、もし子供を持つことを希望する人がいるのなら、若いうちから1人でも多くの人に選択肢の1つとして知ってほしいと思った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

財新・中国製造業PMI、6月は50回復 新規受注増

ビジネス

マクロスコープ:賃金の地域格差「雪だるま式」、トラ

ビジネス

25年路線価は2.7%上昇、4年連続プラス 景気回

ビジネス

元、対通貨バスケットで4年半ぶり安値 基準値は11
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中