最新記事

ネット

2019年上半期グーグル人気検索キーワード発表 韓国で今年一番ググられたのは?

2019年7月14日(日)14時20分
杉本あずみ(映画配給コーディネーター)


1,626万3525人という驚異的な観客動員を記録したお正月映画『極限職業』 CJ Entertainment Official / YouTube

映画カテゴリーのランキング1位は?

さらに、グーグルでは韓国のジャンル別検索順位も発表している。映画分野を見ると、1位は韓国映画『極限職業(原題:Extreme Job/극한직업)』だ。総合検索でも6位に入った映画『極限職業』は、今年1月に韓国で公開された韓国のコメディー映画だ。なんと累計観客動員が1,626万3525人という歴代2位の記録をたたき出した。韓国国民の実に3人に1人が観た計算だ。

■関連記事:日本は韓国のわずか3分の1 快進撃続ける韓国の映画観客動員数

舞台とは警察の麻薬捜査班チームが見張り捜査のために借りたチキン屋。捜査員達はここで店員になりすまして麻薬犯の張り込みをするが、想像以上に繁盛して本業よりも忙しくなって......という内容である。ちょうど旧正月連休に入る前という公開タイミングも功を奏して大ヒットした。韓国映画といえばドタバタコメディーも多いが、ここ数年シリアスなサスペンスやアクション映画も多い。日本に紹介されるのはこの手の映画が多いためか、「韓国映画って暗い」「アクションシーンはグロい」といった感想をもっている人も多いのではないだろうか? 韓国人でも同じようで、正月早々暗くて重い映画よりもこのように家族で楽しく笑える映画に人気が集中したようだ。

ちなみにこの『極限職業』はハリウッドでのリメイクが決定している。韓国のオリジナルも制作したCJエンターテインメントとユニバーサルスタジオの共同制作で、主人公は『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』やアニメ『ペット』に出演していたケヴィン・ハートが務めるという。この映画のキーポイントは「チキン屋」にある。韓国ではメジャーな食べ物で、ビールと言えばチキン。ソウル市内では数百メートルも歩けばチキン屋に当たるほどだ。出前文化の発達した韓国ではチキン屋の出前は定番だ。また、サラリーマンがよく脱サラして始めるレストランの一つでもある。このように韓国の街に溶け込み人生にも密着した食べ物を、ハリウッドバージョンでは何に置き換えるのか楽しみである。

■関連記事:日本生まれのインスタントラーメン、韓国で育ち過激な味に 里帰りでブーム呼ぶか?


newsweek20190714133200.png
■2019年上半期グーグル人気検索キーワード
1位タノス、2位ミセモンジ、3位チョン・ジュニョン、4位スカイキャッスル、5位NBA、6位極限職業、7位クレイジーレーシング・カートライダー、8位バーニングサン、9位ファン・ハナ、10位アベンジャーズ/エンドゲーム

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

基調的な物価上昇率、徐々に高まり 見通し期間後半は

ワールド

米中外相が北京で会談、中国のロシア支援など協議

ワールド

中国全人代常務委、関税法を可決 報復関税など規定

ワールド

エクイノール、LNG取引事業拡大へ 欧州やアジアで
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中