最新記事

臓器移植

遺伝子改変ブタでヒトの臓器を提供

2018年3月28日(水)17時20分
ジェシカ・ファーガー

PERVのない「遺伝子組み換えブタ」は膵臓や肝臓などの固形臓器に加え、ランゲルハンス島の供給源になるかもしれない。ランゲルハンス島は膵臓内に散在する細胞群で、インスリンを分泌する。糖尿病治療法としてのブタのランゲルハンス島移植に焦点を当てた予備的研究の成功例も既にいくつかある。

数年後には異種移植の臨床試験が始まると、米移植外科学会の次期会長でもあるウィスコンシン大学付属病院のディクソン・カウフマン医師は言う。「PERVの感染リスクを排除するなど、安全性が高まれば実現に近づく」

最初に移植される可能性が高いブタの固形臓器は腎臓と膵臓だと、カウフマンはみている。どちらも移植がうまくいかなくても患者が死ぬ危険は必ずしも大きくない。

生きているうちに移植が間に合いそうにないと患者に告げなければならない外科医にとって、テクノロジーの進化は朗報だ。患者の大半は異種移植を受け入れるはずだと、カウフマンは予想する。ブタの内臓を拒めば、確実に死が待っているのだから。

<本誌2018年3月6日号「特集:禁断の医療」から転載>

ニューズウィーク日本版 トランプの大誤算
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月14号(4月7日発売)は「トランプの大誤算」特集。国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国中銀、政策金利据え置き 中東紛争がインフレ・成

ビジネス

アメリカン航空とアラスカ航空、手荷物料金引き上げ 

ビジネス

国内企業物価、3月は前月比+0.8%に伸び拡大 中

ワールド

メキシコ中銀、3月会合は中東紛争リスク巡り意見割れ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡散──深まる謎
  • 4
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 5
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 6
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 7
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 8
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 9
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 10
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 7
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 8
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中