最新記事

被災者

瓦礫の跡に残る見えない苦悩

危機的状況を脱し、復興が着実に進んでいるように見えるが現実は何一つ変わらず、知られざる「カネ不足」が地元を追い詰めている

2011年9月13日(火)14時52分
山田敏弘、藤田岳人(本誌記者)

命も財産も 弟の家があった場所に立つ被災者。弟は行方不明のままだ(9月11日、宮城県石巻市) Kim Kyung-Hoon-Reuters

 宮城県塩釜市にある佐長商店は、3代にわたって地元名物の笹かまぼこを作ってきた。自社工場での製造だけでなく、隣接する店舗で販売もしていたこの水産加工会社は、小さいながらも大手メーカーとの競争や不況に負けず、堅実に事業を成長させてきた。

 あらゆる企業努力を惜しまず、バス観光のツアーを誘致して製造工程の見学会を開き、ホテルの手配までした。味にも自信があった。大手メーカーと違って販路が限定されているため、「物の良さで勝負してきたし、味を気に入ってリピーターになってくれるお客さんもいた」と、社長は言う。おかげで業績は順調で、来年から息子が4代目として店を継ぐことになっていた。未来は希望に満ちていた。

 だが、3月11日にすべてが変わった。...本文続く

──ここから先は9月7日発売の『ニューズウィーク日本版』 2011年9月14日号をご覧ください。
<デジタル版のご購入はこちら
<定期購読のお申し込みはこちら
 または書店、駅売店にてお求めください

この記事は9月14日号のカバー特集「3.11と9.11」に収録したものです。米同時多発テロから10年、東日本大震災から半年経った今、二つの悲劇で何が変わったかを検証します。
<9月14日号の目次はこちら

[2011年9月14日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国大統領、ドローン侵入で北朝鮮に遺憾表明 金与正

ワールド

米・イスラエル、イランの石油化学施設攻撃 過去24

ワールド

イスラエル、イラン最大の石油化学施設を攻撃 国防相

ワールド

茂木氏がイラン外相と電話会談、停戦提案や首脳会談な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 4
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 5
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 9
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中