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被災者瓦礫の跡に残る見えない苦悩
危機的状況を脱し、復興が着実に進んでいるように見えるが現実は何一つ変わらず、知られざる「カネ不足」が地元を追い詰めている
命も財産も 弟の家があった場所に立つ被災者。弟は行方不明のままだ(9月11日、宮城県石巻市) Kim Kyung-Hoon-Reuters
宮城県塩釜市にある佐長商店は、3代にわたって地元名物の笹かまぼこを作ってきた。自社工場での製造だけでなく、隣接する店舗で販売もしていたこの水産加工会社は、小さいながらも大手メーカーとの競争や不況に負けず、堅実に事業を成長させてきた。
あらゆる企業努力を惜しまず、バス観光のツアーを誘致して製造工程の見学会を開き、ホテルの手配までした。味にも自信があった。大手メーカーと違って販路が限定されているため、「物の良さで勝負してきたし、味を気に入ってリピーターになってくれるお客さんもいた」と、社長は言う。おかげで業績は順調で、来年から息子が4代目として店を継ぐことになっていた。未来は希望に満ちていた。
だが、3月11日にすべてが変わった。...本文続く
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この記事は9月14日号のカバー特集「3.11と9.11」に収録したものです。米同時多発テロから10年、東日本大震災から半年経った今、二つの悲劇で何が変わったかを検証します。
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[2011年9月14日号掲載]