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「全裸検査」の終了で乗客はひと安心

改良型の全身スキャナーは、人型と不審物の位置が表示されるだけ

2011年9月1日(木)14時24分
ウィリアム・サレタン(ジャーナリスト)

早くも引退? 全裸にされるようなものだと猛反発を食った全身スキャナー Rick Wilking-Reuters

 アメリカの空港で搭乗前の全身スキャナー検査を受けるたびに身をすくめてきた人に朗報だ。米運輸保安局(TSA)は先週、「事実上の全裸検査」と批判されてきたスキャナーの画像処理ソフトを改良すると発表した。

 従来のソフトでは、服の内側を透視した全裸写真さながらの画像が検査員の前の画面に表示されてきた。改良版では、一般的な人体の輪郭が表示され、不審物があれば、コンピューターがその位置を画像上に明示する。

 今後は検査員だけではなく乗客も、画像が映し出された画面を見られるようになる。不審物携帯の疑いがなければ輪郭画像さえ表示されず、「OK」という単語が示されるだけだ。

 とはいえ、検査の手が緩むわけではない。これまでどおりスキャナーが下着の内側まで入念に検査し、不審物携帯の疑いがあれば、ボディータッチなどによる追加検査が行われる。

 ワシントンの連邦高裁は、全身透視スキャナーをプライバシー侵害とする訴訟で違憲性はないと判決を下したばかり。それでもTSAが検査法改良に踏み切ったのは、新型には検査員の目視だけでなくコンピューターによる不審物の位置特定もできるという利点があるからだろう。

[2011年8月 3日号掲載]

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