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砂糖はなぜ「コカイン」なのか?...エネルギー効率と回復力を「分子レベル」で高める「代謝リセット」のススメ

2025年9月25日(木)12時10分
デイヴ・アスプリー(起業家、投資家、「ブレットプルーフ」創設者)

激しい運動のあとで体が痛くなるのはそういうわけだ。マラソンを完走したばかりの人、あるいはきついトレーニングをして疲労した人の血中マーカーには、炎症のサインがはっきり表れる。

それはまったく問題ではない。運動すれば炎症が起きるのはあたりまえで、むしろ効果的な運動ができている証拠なのだ。炎症を治し、筋肉を細胞レベルで修復する回復サイクルのあいだに、体は強くなる。筋肉は修復プロセスの副産物なのである。


 

裏を返せば、炎症を抑える薬やアイスバスはこの治癒プロセスを妨げ、筋肉の成長を阻む。きついワークアウトをした翌日に体が痛くなっても、イブプロフェンを服用しないほうがいい。

イブプロフェンには抗炎症作用があり、運動の目的に逆らう働きをするからだ。体に備わった修復メカニズムが本来の機能を果たせば、体はみずからを修復するだけでなく、強くもする。

そうしたメカニズムをうまく働かせたいと本気で思うなら、糖ではなく、代わりに抗炎症作用のある脂肪を燃料源にしよう。そうすれば、治癒と強化のプロセスを活性化できる。多くのエネルギーを手に入れると同時に、炎症を減らせる。

僕はたしかに、かつて脂肪由来のケトン体を燃焼させるケトーシスの状態でアイアンマンレースを完走することができると断言した。ただし、一言付け加えておきたい。僕はケトーシスを維持しながらアイアンマンレースに出るなんて愚かだとも言ったのだ。可能ではあるものの、代謝の面で体に害が及ぶからだ。

それを裏づける決定的な証拠もある。名前を出すわけにはいかないが、僕はケトーシスをキープしながらトライアスロン──スイム3.8㎞、バイク180㎞、フルマラソン42.195㎞──を完走した医師と話をしたことがある。僕の予想どおり、検査したところ彼の体は惨憺たる状態だった。

全身炎症だらけ。代謝はめちゃくちゃ。それならば、ケトン体と糖を同時に燃やせばいいのでは? ロケット燃料! それこそ僕がおすすめする方法だ。

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