特定のビタミンが「老化を約3年遅らせる」可能性...「細胞の寿命」とテロメアとは?【最新研究】
This Vitamin May Slow Aging Process—New Research
2024年現在、「アメリカ内分泌学会(Endocrine Society)」は、「75歳以上の一般集団においては、死亡リスクの低下が期待されるため、ビタミンDの補給を経験的にも推奨する」としている。
また、ボストン大学ビタミンD・皮膚・骨研究所(Vitamin D, Skin, and Bone Research Laboratory)のマイケル・ホリック(Michael Holick)博士は、本誌の取材に対して次のようにメールで回答した。
「今回の研究結果は、ビタミンDの状態を改善することによって死亡リスクを90%も減少させることができるという観察結果とも一致しています」
「VITAL試験」の主任研究者であり、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のジョアン・マンソン(JoAnn Manson)博士は次のように語る。
「VITAL試験は、ビタミンDがテロメアを保護し、その長さを維持することを示した初の大規模かつ長期的なランダム化試験です。ビタミンDが炎症を抑制し、がんの進行や自己免疫疾患など加齢に伴う慢性疾患のリスクを低下させることも示しており、非常に興味深い結果です」
また、本研究の筆頭筆者でジョージア医科大学(オーガスタ大学)の分子遺伝学者であるハイドン・ジュ(Haidong Zhu)博士は次のように述べる。
「ビタミンDの標的型の補給は、生物学的老化を抑制する有望な戦略になる可能性があります。ただし、さらなる研究が必要です」
パデュー大学のマジド・カゼミアン(Majid Kazemian)教授も昨年、本誌の取材に応じ、次のように述べている。