6月米製造業生産0.1%上昇、高関税措置の影響続く

米連邦準備理事会(FRB)が16日発表した6月の鉱工業生産は前月比0.3%上昇した。写真はテキサス州パリスにある店舗什器の製造工場で3月撮影(2025年 ロイター/Rodgers Wade Manufacturing/Handout via REUTERS)
[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が16日発表した6月の鉱工業生産は前月比0.3%上昇した。5月まで2カ月連続で横ばいだった。前年同月比は0.7%上昇。このうち、製造業生産指数は前月比0.1%上昇で、ロイターがまとめたエコノミストによる横ばいの予想を上回った。前年同月比では0.8%上昇。トランプ米大統領による鉄鋼、アルミニウムへの50%、自動車や関連部品への25%の追加関税を含めた高関税措置による影響が、製造業に依然として影を落としている。
トランプ氏は8月1日からメキシコや日本、カナダ、ブラジル、欧州連合(EU)などの輸入品への関税を引き上げるとも表明。これらの関税が米産業基盤を復活させるのに必要だと主張しているが、エコノミストらは生産コストや人件費の高さが制約要因となり、短期間で実現することは難しいと指摘している。
6月の鉱業は0.3%低下。公益事業は、熱波でエアコン需要が急増したことで2.8%上昇。
製造業のうち、耐久財は横ばい。自動車・同部品は2.6%低下した一方、航空宇宙・輸送機器が1.6%、一次金属が3.1%それぞれ上昇した。非耐久財は、石油・石炭製品が伸びたことで0.3%上昇した。
鉱工業生産の2025年第2・四半期(25年4─6月期)は前年同期比1.1%上昇。25年1─3月期の4.3%上昇から減速した。製造業生産の25年4─6月期は2.1%上昇。25年1─3月期は3.7%上昇していた。
6月の鉱工業部門の設備稼働率は77.6%。5月の77.5%から上昇したものの、平均を2.0%ポイント下回る水準だ。製造業の稼働率は76.9%。平均水準を1.3%ポイント下回っている。