最新記事
健康

歯にダメージを与える4つの「間違った歯磨き」とは?...歯科医が明かす

Dentist Reveals 4 Common Brushing Mistakes That May Be Damaging Your Teeth

2024年9月8日(日)10時30分
パンドラ・デワン
歯ブラシ

Willians Labrador-shutterstock

<歯磨きは心臓病、認知症、肺炎などの呼吸器感染症のリスクを減らす役割もある。しかし、多くの人々が間違った方法で行なっている>

一生涯のうち、私たちは82日間を歯磨きに費やしており、多くの人々が日々のルーティンとして無意識に行っている。

虫歯や歯周病を防ぐために適切な口腔衛生が欠かせないだけでなく、心臓病、認知症、肺炎などの呼吸器感染症のリスクを減らす役割もある。しかし、多くの人々が間違った方法で歯磨きを行なっている。

ニーム・トゥリー・デンタル・プラクティスの歯科医であるスミタ・メーラ氏に私たちがやりがちな間違った歯磨きと正しい歯磨きについて聞いた。

【関連動画】歯と歯茎の健康について語るメーラ氏 を見る


 

間違い1──ホワイトニング歯磨き粉を毎日使用すること

アメリカの国勢調査データによると、2020年時点で約3700万人のアメリカ人が歯のホワイトニング製品を使用しており、毎年数十億ドル(5~6000億円)を費やしている。多くの人々が完璧な笑顔を保つためにホワイトニング歯磨き粉を選んでいるが、本当にいいことなのだろうか?

「ホワイトニング歯磨き粉は一般的には安全ですが、毎日使用したり、高濃度のものを使用すると、歯にダメージを与えたり、歯茎を刺激する可能性があります」とメーラ氏。

「ホワイトニングジェルや歯磨き粉に含まれる過酸化物の含有量が多いと、歯茎にできものや炎症を引き起こす可能性があります。過酸化物の濃度が高いホワイトニング歯磨き粉は、知覚過敏を起こし、痛みを伴うことがあります。そのためホワイトニング歯磨き粉の使用頻度については歯科医に相談することが重要です」

また、SNSなどで活性炭入り歯磨き粉が人気を集めているが、活性炭が表面の汚れをある程度除去する可能性がある一方で、通常の歯磨き粉と比較して大きな利点があるわけではないという。

そして、長期間にわたって毎日使用するとエナメル質にダメージを与える可能性があるだけでなく、通常の歯磨き粉よりもフッ素の含有量が少ないため、虫歯予防に必要な成分が不足しているとメーラ氏は指摘する。

間違い2──食後すぐに歯を磨くこと

朝食を食べた後にすぐに歯を磨いているのではないだろうか。食後すぐに口の中を清潔に保ちたくなるものだが、実は悪影響を与える可能性があるという。

「食後どのくらいの時間で歯を磨くべきかについては多くの議論があります。特に炭酸飲料や柑橘類など酸性の強い食品をとった後は、1時間ほど待ってから歯を磨くことを私は歯科医として推奨しています」

酸性の強い食べ物をとったあとにすぐ歯磨きをすることについて「口の中にある酸を歯全体に塗り広げているようなもの」とメーラ氏は述べるが、エナメル質が傷つく可能性があるという。食後に時間を取ることで唾液が酸を洗い流し、再石灰化でエナメル質が再び硬くなる時間を確保できるという。

また、酸性の強い食べ物や飲み物などの食品を摂取する前に歯磨きする場合にも、少し時間をあけることが推奨されるという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ムーディーズ、日本の格付けA1を確認 見通しは安定

ビジネス

豪コアインフレ率、第3四半期0.9%なら予測「大外

ワールド

独IFO業況指数、10月は88.4へ上昇 予想上回

ワールド

ユーロ圏銀行融資、9月は企業・家計向けとも高い伸び
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水の支配」の日本で起こっていること
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 5
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下にな…
  • 6
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 7
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 8
    1700年続く発酵の知恵...秋バテに効く「あの飲み物」…
  • 9
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 10
    【テイラー・スウィフト】薄着なのに...黒タンクトッ…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中